「Hydro-Bridge」は、デザイナーのXiyao Wangによって2019年に構想され、2025年にはA'デザインアワードのエンジニアリング部門でシルバー賞を受賞した。ネパール特有のモンスーン気候に着目し、乾季には歩行者や軽車両が利用できる橋として、雨季には雨水を貯水するシステムや安全なキャンプサイトとして機能する二重構造が特徴だ。
この橋は、スチール構造と金属ディテール、そして雨水を効率的に集めるガラス屋根を組み合わせて設計されている。パラメトリックデザインツールを活用することで、自然環境と調和しながらも機能美を追求したフォルムが実現された。高さ7メートル、幅8メートルのスケールは、地域社会の多様なニーズに応える十分なスペースを提供する。
Hydro-Bridgeの最大の特徴は、季節ごとにダイナミックに役割を変える点にある。乾季には地域住民の移動や交流の場として、雨季には洪水対策と水資源の確保を担うインフラへと変貌する。この柔軟性は、気候変動がもたらす課題に対し、建築がどのように応答できるかを示している。
プロジェクトの実現には、現地の気候データやユーザー行動の調査、構造解析など多角的なリサーチが活用された。建築家、エンジニア、水理学者が連携し、予算や材料、複雑な季節変動といった制約を乗り越えた。美しさと機能性の両立、そして地域社会の持続可能性を追求する姿勢が、革新的な構造ソリューションを生み出している。
Hydro-Bridgeは、単なるインフラを超えた「社会と自然をつなぐ公共空間」として、都市のレジリエンスと持続可能な未来のモデルケースとなっている。今後、気候変動に直面する他地域への応用も期待される。
プロジェクトデザイナー: Xiyao Wang
画像クレジット: Xiyao Wang
プロジェクトチームのメンバー: Xiyao Wang
プロジェクト名: Hydro
プロジェクトのクライアント: Extended Play Lab