「メイプルズ クリニック ビジット」は、特に脳性まひなどの障がいを持つ子どもたちが頻繁に医療機関を訪れる際の不安を軽減するために開発された。主人公は、歩行補助具(オーソティクス)が必要なテディベアのメイプル。彼のクリニック訪問を通じて、医療手順や診察の流れを子どもたちにわかりやすく、親しみやすい形で伝える。
このストーリーブックは、ユーザー中心設計の手法を徹底して採用。保護者や医療従事者へのインタビュー、観察調査を重ね、子どもたちが実際に感じる不安や疑問に寄り添った内容となっている。鮮やかなデジタルイラストと、子どもが共感しやすいストーリー展開が特徴で、実際の医療現場での体験をポジティブなものへと導く。
制作過程では、物語のプロトタイプを子どもたちに試してもらい、反応や理解度をもとに内容をブラッシュアップ。医療現場でのリアルな声を反映しつつ、専門的な内容も子どもが自然に受け入れられるよう工夫されている。特にオーソティクスの説明や診察の流れなど、難しいプロセスも親しみやすく描かれている点が評価されている。
「メイプルズ クリニック ビジット」は、2024年春にアイオワ州立大学で開発され、10×8インチのハードカバー仕様で展開。障がい児の医療体験に関する社会的認識の向上や、医療現場での子どもへの配慮のあり方にも一石を投じている。研究では、こうした物語性のあるリソースが子どもの不安を大幅に軽減し、医療現場での協力的な態度を促進することが明らかになった。
このプロジェクトは、2025年のA'デザインアワード(公共啓発・ボランティア・社会デザイン部門)でシルバー賞を受賞。卓越した技術力と芸術性、そして社会的インパクトが高く評価されている。今後、医療現場での子どもたちの体験をより良いものに変えるデザインとして、さらなる普及が期待されている。
「メイプルズ クリニック ビジット」は、子どもたちが医療現場に安心して向き合える未来を切り拓く一冊。デザインと物語の力が、子どもたちの勇気と自信を育む新たなスタンダードとなりつつある。
プロジェクトデザイナー: Bruno Oro
画像クレジット: Bruno Oro
プロジェクトチームのメンバー: Bruno Oro
プロジェクト名: Maples Clinic Visit
プロジェクトのクライアント: Bruno Oro