「Charis」は、石や木といった自然素材の温かみや落ち着き、そして金属の現代的なクールさを巧みに組み合わせることで、新しい美の均衡を実現している。デザイナーの高橋宏樹氏は、伝統的な日本の組子細工から着想を得て、歴史や文化を感じさせる繊細なデザインを空間に取り入れた。金属は耐久性と機能性を、石は高級感と自然美を、組子は精緻さと伝統美を象徴している。
この空間の最大の特徴は、異なる素材の調和にある。金属のアクセントやガラス器は、光を繊細に反射し、空間にきらめきを添える。大理石や花崗岩の冷たさと金属の硬質な質感が融合し、洗練された雰囲気を演出。組子細工は木片を組み合わせて美しいパターンを生み出し、影を落とすことで空間に奥行きと動きを与えている。
設計段階では、自然界の幾何学模様や日本の伝統美からインスピレーションを受け、CADソフトによるシミュレーションを重ねて視覚的な調和と機能性を追求した。建物は延床面積340.96㎡、幅14.5m、奥行13.6m、高さ8.2mというスケールで設計されている。
素材の選定には、シチリア産の大理石やパタゴニア産の花崗岩、日本の組子細工など、世界各地の伝統と技術が融合。異なる文化や素材を組み合わせることで、これまでにない空間美を実現している。光の反射や影の効果も重視され、空間に動きと深みをもたらしている。
このプロジェクトは、2023年4月に着工し、2024年9月の完成を予定している。長崎県という歴史ある土地で、伝統と革新が共存する新しい住空間の創造に挑戦している点が注目される。
「Charis」は、2025年にA' Design Awardのインテリアスペース部門でIron賞を受賞。実用性と革新性を兼ね備え、産業界のベストプラクティスを統合したデザインとして高く評価された。異素材の融合による新たな美的価値の創出は、今後の空間デザインに大きな示唆を与えている。
プロジェクトデザイナー: Hiroki Takahashi
画像クレジット: Hiroki Takahashi
プロジェクトチームのメンバー: Hiroki Takahashi
プロジェクト名: Charis
プロジェクトのクライアント: Hiroki Takahashi Infinite Design