折り紙から着想を得たミニマルなフロアランプ「Ori」

一枚のアルミ板が生む、機能美と持続可能性の融合

日本の折り紙にインスパイアされた「Ori」は、シンプルな美しさと環境配慮を両立した新しい照明デザインとして注目を集めている。デザイナーのリンカーン・チェンは、素材の最小限化と製造効率を追求し、現代のライフスタイルに調和するフロアランプを生み出した。

「Ori」は、折り紙の「折る」という概念を照明デザインに取り入れたフロアランプである。リンカーン・チェンは、平面のアルミ板をわずかな折り加工だけで立体的かつ視覚的に魅力的な構造へと変化させることに挑戦した。素材にはリサイクル可能な5052アルミ合金を採用し、溶接を一切使わず、環境負荷の低減と生産の簡素化を実現している。

このランプの最大の特徴は、一枚の金属板から成形されている点にある。トップ部分は逆方向に折り返され、エレガントなランプシェードを形成。高さは約89cm(35インチ)、ベースはコンパクトな設計で、読書に最適な柔らかな光を提供しつつ、移動も容易だ。従来の幾何学的な照明とは一線を画し、機能性と芸術性のバランスを追求している。

製造工程では、9ゲージの5052アルミ合金を用い、シートメタルスタンピング技術で加工。幅165mm、奥行152mm、高さ889mmという仕様は、都市型の住空間にもフィットするサイズ感となっている。リンカーン・チェンは、折り紙の原理を金属加工に応用するため、厚手の紙を使った多数の模型制作と形状研究を重ね、最適なフォルムに到達した。

デザインの過程では、最小限の素材で最大限の安定性と美しさを実現することが大きな課題となった。素材選定や生産制約、輸送効率の最適化など、外的要因にも細心の注意が払われた。また、折り紙の構造原理を金属に適用するためのリサーチも徹底されている。

「Ori」は2024年9月にカリフォルニア州パサデナで設計が始まり、現在プロトタイプ段階にある。2025年にはA'デザインアワードのシルバー賞を受賞し、技術力と芸術性の高さが国際的にも認められた。シンプルでありながら印象的な存在感を放つこのランプは、現代のインテリアに新たな選択肢をもたらしている。

折り紙の精神を現代のプロダクトに昇華させた「Ori」は、持続可能性とデザイン性を両立した照明として、今後のライフスタイルに新しい価値を提案し続けるだろう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Lincoln Chen
画像クレジット: #1: Designer Lincoln Chen, Ori, 2024. #2: Designer Lincoln Chen, Ori, 2024. #3: Designer Lincoln Chen, Ori, 2024. #4: Designer Lincoln Chen, Ori, 2024. #5: Designer Lincoln Chen, Ori, 2024.
プロジェクトチームのメンバー: Lincoln Chen
プロジェクト名: Ori
プロジェクトのクライアント: Lincoln Chen


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