生命科学の神秘を紐解く「Life Science Code」モニュメント

ゲノムの記憶と素材が融合する革新的アート作品

中外製薬の新研究施設に設置された「Life Science Code」は、生命科学の深遠な謎と美しさを体現するモニュメントです。タカハシ タクミ率いるデザインチームが、ゲノム解析を通じて創薬が進化する現代において、人間のDNAに刻まれた記憶や進化の本質を、素材と造形で表現しました。

「Life Science Code」は、生命科学パークのために特別に設計された全長6メートルのモニュメントです。そのデザインは人間のゲノム配列を基にしており、古代の石や地元の植物、薬草、そして透明な石材など、多様な素材が組み合わされています。これらの素材は、生命の起源から現代に至るまでの「記憶」を象徴し、自然と人間の営みが織りなす壮大な物語を感じさせます。

このモニュメントの最大の特徴は、自然素材と人の手による加工素材が共存し、「生命」と「科学」の本質を一体化している点です。木材や金属の端材をリサイクルし、サステナビリティを意識した設計がなされています。内部から照らされる透明な石のベースは、水の源を想起させ、生命の多様性と神秘性を浮かび上がらせます。

設計にあたっては、地球に受け継がれてきたDNAの「記憶」に着目し、自然・技術・文化の多様な記憶を調査・収集。通常は交わることのない記憶や素材を融合させることで、独自の景観と新たな思索の場を創出しました。研究者や訪問者がこのモニュメントを眺めることで、自身の存在や未来への可能性に思いを馳せるきっかけとなっています。

このプロジェクトは2024年5月、神奈川県戸塚の中外製薬新研究施設にて完成。構造設計や金物制作、森のクリエイティブディレクションなど、多分野の専門家が協働し、芸術・科学・テクノロジーの境界を越える作品となりました。「Life Science Code」は、見えない生命の神秘を可視化し、研究者たちの創造力と挑戦心を刺激する精神的支柱として機能しています。

本作品は2025年、世界的なA'デザインアワードのファインアート部門でプラチナ賞を受賞。時代を象徴する美学と社会的意義が高く評価され、芸術・科学・デザイン・テクノロジーの新たな地平を切り拓く存在として認められました。生命科学の未来を照らすこのモニュメントは、今後も多くの人々にインスピレーションを与え続けることでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Takumi Takahashi
画像クレジット: Photo by :Nacasa & Partners Inc. | Akira Arai
プロジェクトチームのメンバー: Design:Takumi Takahashi, HAKUTEN Structural design : Naoki Iwama, Iwama Design Metal hardware design and production : Kenichi Ochiai, Ochiai Seisakusho Creative direction for the forest : Chikako Kadoi, Bears Dance in the Hida Forest Product Management : Kumazaki Kohei, HAKUTEN Produce : Masako Takahama, HAKUTEN
プロジェクト名: Life Science Code
プロジェクトのクライアント: Chugai Pharmaceutical Co., Ltd.


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