「Inno Air Louvre」は、従来のエアコン室外機が抱えていた「歩行者に直接風が当たる」という課題に着目し、ルーバー型の羽根板を採用しています。これにより、風向きを広範囲に調整でき、歩行者が近づくと自動で羽根板が回転または閉じて風を遮断します。歩行者が離れると元の状態に戻るため、常に快適な都市環境を維持します。
この室外機の最大の特徴は、グラフェン素材の熱交換フィンと竹製のファンブレードの組み合わせです。グラフェンは耐腐食性・耐老化性・高温耐性に優れ、効率的な熱交換を実現。竹は温度調節・吸音・防音効果があり、環境にやさしいだけでなく、装飾性にも優れています。これらの素材選定は、持続可能な社会への貢献と美観の両立を意図しています。
「Inno Air Louvre」は、1350mm×600mm×1130mmというコンパクトなサイズでありながら、室内の新鮮な空気供給も調整可能です。カスタマイズにも対応し、設置場所や利用者のニーズに合わせた柔軟な運用が可能です。また、未使用時には自動でルーバーが閉じ、ほこりや雨水の侵入を防ぐことで、機器の寿命延長にも寄与します。
開発にあたり、市場の既存製品を徹底的に調査し、多くの室外機が固定風向きであること、夏場には熱風が歩行者に直接当たることなど、都市生活者の「痛点」を明確にしました。これらの課題を解決するため、信頼性の高い自動制御機構や耐久性の高い素材選定、風量と快適性のバランス設計など、複数の技術的チャレンジをクリアしています。
「Inno Air Louvre」は、2025年のA'デザイン賞ゴールドを受賞し、その卓越したデザイン性と社会的インパクトが高く評価されています。都市の快適性と環境配慮を両立するこのプロダクトは、今後の空調機器の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。
都市空間における快適性と環境意識の両立を目指すなら、「Inno Air Louvre」のような人間中心のイノベーションが、未来のライフスタイルをより豊かに彩ることでしょう。
プロジェクトデザイナー: ZHEJIANG ZHONGGUANG ELECTRICAL CO.,LTD.
画像クレジット: ZHEJIANG ZHONGGUANG ELECTRICAL CO.,LTD.
プロジェクトチームのメンバー: Menglin Xie
Jinghong Zhang
Yuhui Xu
Yuxin He
Haiping Hou
Xiaojun Yuan
プロジェクト名: Inno Air Louvre
プロジェクトのクライアント: Outes