アート&ナメラシーアカデミーの空間設計は、開放感、快適さ、美しさを重視し、四角形、三角形、円といった幾何学的な形状を巧みに取り入れています。Lシステムに着想を得た樹木の枝のような曲線が、滑らかで柔らかな空間を生み出し、明るく上品な色調と温かみのある木材の質感が、モダンでありながらも落ち着いた学びの場を演出しています。
このアカデミーの最大の特徴は、「遊びを通じて学びのカギを解き放つ」というミッションにあります。数学を実用的で身近、かつ楽しいものにすることを目指し、放課後のSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)教育を通じて、子どもたちの数的推論力、創造的な美意識、そして感情的なレジリエンスを育成します。
施設内には、多機能エリアとして設計された大きな樹の下のスペースがあり、読書やディスカッション、さまざまなアクティビティの場として活用されています。ここでは子どもと大人の交流や協働学習が自然に促され、全ての内装には環境に配慮したグリーン建材や吸音性の高い木毛パネルが使用されています。さらに、先進的なデジタル機器も導入され、子どもたちが安心して快適に学べる環境が整えられています。
また、洗面台やトイレなどの設備は子どもが自立して使えるように高さが工夫されており、細部にまで配慮が行き届いています。大きなディスプレイウィンドウは、教師や生徒が数学プロジェクトを発表する場となり、季節ごとに新しい学びの成果を外部に発信しています。
このプロジェクトは、2023年10月に台北市で始動し、2024年3月に完成。現場での大工工事と工場でのプレファブ家具製作を組み合わせ、約200平方メートルの空間が実現されました。アート&ナメラシーアカデミーは、2025年のA'デザインアワード(インテリア空間部門)でブロンズ賞を受賞し、創造性と技術力、そして生活の質の向上に大きく貢献したデザインとして高く評価されています。
アート&ナメラシーアカデミーは、単なる教室を超えた「学びの場」として、子どもたちが自らの可能性を最大限に発揮し、数学の世界で自信を持って輝くための新しいスタンダードを提示しています。今後もこのような革新的な学習空間が、世界中の教育現場に広がることが期待されています。
プロジェクトデザイナー: Daisuke Nagatomo and Minnie Jan
画像クレジット: Daisuke Nagatomo and Minnie Jan
プロジェクトチームのメンバー: Jenny Yeh
Hao Sung
プロジェクト名: Art and Numeracy Academy
プロジェクトのクライアント: MisoSoupDesign