伝統と革新を融合した現代的サンセリフ体「Aisling Sans」

クラシックな美学と先進技術が生む新たなタイポグラフィ

「Aisling Sans」は、タイポグラフィの伝統美と現代的な個性を見事に融合させた書体として、2025年のA'デザイン賞ゴールドを受賞しました。ブランドやコミュニケーションの分野で注目を集める本作は、視認性と洗練性を兼ね備え、デジタルと印刷の両方で高い汎用性を発揮します。

ポール・ロブによる「Aisling Sans」は、クラシックなサンセリフ体のエレガンスにインスパイアされつつ、現代的なデザイン感覚を巧みに取り入れています。伝統的なプロポーションと革新的なフォルムを融合させることで、視覚的な調和と読みやすさを追求。特徴的なカーブやフォルムは、個性と洗練さを両立し、ブランドイメージの構築や幅広いコミュニケーションに最適な選択肢となっています。

この書体のユニークな点は、歴史的なタイポグラフィの原則を現代的に再解釈していることです。広めに設計された文字のプロポーションや大きなカウンター(文字内部の空間)は、印刷物でもデジタル環境でも高い可読性を実現。10種類のウェイトとバリアブルフォントバージョンを備え、ラテン拡張言語にも幅広く対応しています。多様なタイポグラフィのニーズに応える柔軟性が特徴です。

制作工程では、200以上のラテン言語に対応したデジタルフォントとして開発されました。ローンチを記念して、限定のスペシメンボックスと5冊のブックレットがデジタル印刷で制作され、書体ファミリーの堅牢性と美しさを実際に体験できる形で提供されました。スペシメンボックスは80×180×255mm、ブックレットは170×240mmで、いずれもCMYK印刷による高品質な仕上がりです。

研究は2023年後半から始まり、歴史的な書体のプロポーションや比率を徹底的に分析。そのデータをもとに、各ウェイトごとに現代的なフォルムを設計し、新しい比率を導き出しました。最大の課題は、歴史的なプロポーションを活かしつつ、現代的な魅力を持たせることでしたが、繊細なバランス感覚によって見事に克服されています。

「Aisling Sans」は、控えめながらも自信に満ちたキャラクターを持ち、明快な可読性と多用途性を追求しています。ブランドデザインや出版、デジタルメディアなど、視覚的な魅力と機能的な読みやすさが求められるあらゆる場面で、その存在感を発揮するでしょう。

タイポグラフィの伝統と革新を体現する「Aisling Sans」は、現代のデザインシーンに新たな価値をもたらしています。今後も多様なクリエイティブ領域で、洗練された表現の可能性を広げていくことが期待されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Paul Robb
画像クレジット: Paul Henry Robb
プロジェクトチームのメンバー: Paul Henry Robb Moira Bartoloni
プロジェクト名: Aisling Sans
プロジェクトのクライアント: S6 Foundry


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