伝統と革新が融合する学び舎「Harmony」誕生

歴史的空間を再生し、文化的アイデンティティと創造性を育む

台湾・新竹の国立関西高級中学の歴史的な茶工場が、Yen PartnershipとMiso Soup Designの手によって、現代的な学びと文化継承の場「Harmony」として生まれ変わりました。多様な学習ニーズに応える柔軟な空間設計と、伝統と現代性が調和するデザインが、次世代の教育環境に新たな価値をもたらしています。

「Harmony」は、1924年創立の国立関西高級中学の歴史ある茶工場を、現代の教育空間として再生したプロジェクトです。設計の核となるのは「シチュエーショナル・ティーチング(状況的教育)」という考え方で、柔軟な空間構成や学際的なコラボレーションゾーン、没入型デジタルメディアの活用により、生徒たちの実践力と問題解決力を高めることを目指しています。

空間デザインは多様性とモジュール性を重視し、学習モジュールは教科や授業シナリオに応じて自在に調整可能です。これにより、従来の教室の枠を超えた、オープンで創造的な学びの場が実現されています。歴史的な茶工場の面影を残しつつ、現代的なデザイン言語を取り入れることで、視覚的な調和と新旧の融合が図られています。

特徴的なのは、かつての茶加工機器をアートインスタレーションとして再利用し、空間の象徴的な存在とした点です。古い設備や家具の再活用は、環境負荷の低減にも寄与し、持続可能なデザインの実践例となっています。設計チームは、歴史的なテクスチャーと現代的な要素が視覚的に衝突しないよう、細心のバランスを追求しました。

このプロジェクトは、学びの場としてだけでなく、地域の文化的アイデンティティを深める役割も担っています。歴史的な物語を空間に織り込み、伝統と現代のつながりを体感できるよう工夫されています。生徒や来訪者は、茶文化の歴史を感じながら、自由に創造性を発揮し、実践的な学びを深めることができます。

「Harmony」は、2025年にA' Cultural Heritage and Culture Industry Design AwardのIron賞を受賞しました。この賞は、産業界のベストプラクティスと技術的な完成度を兼ね備え、社会にポジティブな影響をもたらすデザインに贈られます。伝統と革新、教育と文化が融合したこの空間は、次世代の学びの在り方に新たな指針を示しています。

歴史と現代が溶け合う「Harmony」は、教育空間の未来像を提案し続けています。文化遺産の保存とイノベーションの両立を目指す取り組みは、他の教育施設や地域再生プロジェクトにも大きな示唆を与えるでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Daisuke Nagatomo and Minnie Jan
画像クレジット: Daisuke Nagatomo and Minnie Jan
プロジェクトチームのメンバー: Joe Lin Yenling Chen
プロジェクト名: Harmony
プロジェクトのクライアント: MisoSoupDesign


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