「Whispers of Grace」は、約50平方メートルの一戸建て住宅を、機能性と美しさが共存する現代的な住まいへと刷新した。特徴的なのは、オーナーの茶への情熱を反映した和室の設えである。この空間は、茶道のためだけでなく、読書や瞑想、眺望を楽しむ多目的なリトリートとして設計されている。静謐な雰囲気が、日常の喧騒から解き放たれる特別な時間を演出する。
設計チームは、元のレイアウトが抱えていた非効率性や大きな梁・柱の圧迫感という課題に対し、無駄な壁を取り払い、曲線的な要素と動的なライトストリップを導入した。これにより、空間の流動性と柔らかな印象が生まれ、住まい全体が開放的で温かみのある雰囲気に変貌した。
リビングの背面には、従来の壁を撤去し、床を一段高くした上でガラスのスライドドアを設置。自然光が室内に降り注ぎ、視覚的な広がりと明るさを最大限に引き出している。さらに、エントランスやリビングの梁上、テレビウォール周囲に設置された間接照明が、構造物の存在感を和らげ、空間全体に一体感をもたらしている。
キッチンには、中央にアイランドバーを設け、調理や食事、読書など多用途に使える設計とした。ライトグレーの石調パネルとラスティックな金属パネルの組み合わせが、現代的な洗練とインダストリアルな質感を同時に演出。機能性と美観の両立が、日々の暮らしに新たな価値を加えている。
リビングの一角には寝室スペースを、もう一方には和室を配置し、可動式の木製パーティションで柔軟に仕切ることが可能。ライフスタイルや気分に合わせて空間を自在に変化させられる点が、現代住宅の新たな在り方を示している。
「Whispers of Grace」は、2025年A' Design Awardのブロンズ賞を受賞。芸術性と技術力、そして生活の質向上への貢献が高く評価された。静けさと光に包まれたこの住まいは、現代人にとっての理想的なサンクチュアリとなるだろう。
プロジェクトデザイナー: Min Hui Hsueh
画像クレジット: Share Design, 2025
プロジェクトチームのメンバー: Designer: Min Hui Hsueh
プロジェクト名: Whispers of Grace
プロジェクトのクライアント: Share Design