レザー製品はファッション分野で高い人気を誇る一方、環境への負荷が大きい素材として知られている。特に、従来のレザー製品は「使い捨て」的な消費サイクルに組み込まれやすく、廃棄物の増加が問題視されてきた。Aylaはこの現状に対し、レザーの持続可能な活用方法を模索し、再生的な畜産や副産物の利用、そして製品の長寿命化を実現することで、環境負荷を大幅に軽減するアプローチを採用している。
本作の最大の特徴は、モジュール式のレザーパネルと着脱可能な金属ヒンジによる構造にある。これにより、バッグの一部が損傷した場合でも、ヒンジを外して該当パネルのみを交換できるため、製品全体を廃棄する必要がない。さらに、分解が容易な設計は、修理やリサイクルだけでなく、古いパネルを新たな小型バッグやクラッチバッグへと再生することも可能にしている。
製造技術にも革新が見られる。従来の縫製を用いず、3Dプリントによるピンシステムを活用することで、レザーパネルを外側のヒンジと内側のプレートで挟み込み、ピンとネジでしっかり固定する設計が採用された。最終的なヒンジは磨き上げられた真鍮製で、長期間の使用にも耐えうる耐久性を実現している。
デザインプロセスでは、廃棄物削減のためのデータベースリサーチや、ファッション業界の専門家へのインタビュー、ユーザー調査、ムードボード、プロトタイピングなど、多角的なリサーチ手法が導入された。特に「サステナブルでありながら従来のバッグと変わらない美しさ」を求めるターゲット層の声を反映し、機能性とデザイン性の両立が追求された。
プロジェクトは2023年8月にニューヨーク州ロチェスター工科大学で始動し、2024年5月に完成。Aylaは、サステナブルな素材活用、修理性、再利用性、そして美しさを兼ね備えた新時代のレザーバッグとして、ファッションと環境の未来をつなぐ存在となっている。
サステナビリティとデザイン性を両立したAylaのようなプロダクトは、今後のライフスタイルにおける選択肢を広げるだろう。使い捨てから循環型へ——日常に取り入れたい新しい価値観が、ここに示されている。
プロジェクトデザイナー: Liam Huff
画像クレジット: Image #1 : Photographer Elizabeth Lemark, AYLA_1_3600.jpg, 2024.
Image #2 : Photographer Chelsea Cohen, AYLA_MAIN_1800.jpg, 2024.
Image #3 : Photographer Chelsea Cohen, AYLA_2.jpg, 2024.
Image #4 : Photographer Elizabeth Lemark, AYLA_3.jpg, 2024.
Image #5 : Photographer, Sneha Yalgi, AYLA_5.jpg, 2024
プロジェクトチームのメンバー: Liam Huff
プロジェクト名: Ayla
プロジェクトのクライアント: Rochester Institute of Technology