バロックとミニマリズムが融合するダイニングテーブル「Focal」

歴史的優雅さと現代的機能美が共存する新たな名作

「Focal」は、バロックやロココ建築の華やかな装飾性と現代的なミニマリズムを融合させた、タイムレスなダイニングテーブルとして注目を集めている。伝統と革新が絶妙に調和したデザインは、日常の空間に上質な芸術性と機能性をもたらす。

デザイナーのYilmaz Doganは、パリの壮麗な宮殿建築に見られる金箔の柱や曲線美、精緻な表面装飾からインスピレーションを得て「Focal」を生み出した。バロックやロココの装飾性を現代的なシンプルさで再解釈し、芸術と機能が調和する新しい美意識を提案している。

「Focal」の最大の特徴は、繊細に配置された脚部による広い着席スペースの確保と、見た目の軽やかさを損なわない耐久性にある。脚先のブラス(真鍮)ディテールや、精密に組み上げられた木製パネルが、洗練された佇まいを際立たせている。内部に隠されたスチールフレーム構造により、華奢な印象と高い強度を両立している点も特筆すべきポイントだ。

製作には厳選された天然木と特注のスチールフレームが用いられ、CNC技術による精密なカットと職人による手作業の脚部接合が、時代を超えるエレガンスを実現している。幅223cm、奥行98cm、高さ74cmというサイズ感は、現代のダイニング空間にフィットしつつ、存在感を放つ。

「Focal」は、脚部を外側に広げて配置することで安定性を保ちながら、最大限の着席スペースを提供。真鍮のアクセントが空間に上質なバランス感をもたらし、滑らかな表面仕上げと繊細なラインが視覚的・触覚的な豊かさを演出する。クラシックな芸術性と現代的な機能美の両立が、日常の食卓を特別な体験へと昇華させている。

本作は2023年、パリでのスケッチから始まり、アンカラで製作された。バロックやロココの装飾美を徹底的に研究し、伝統的なフォルムと現代的な実用性の融合を追求した結果、壮麗さとミニマリズムが共存する独自のバランスが生まれた。最大の課題であった「軽やかさ」と「耐久性」の両立も、スチールフレームの巧みな隠蔽と真鍮加工の精密さによって解決されている。

「Focal」は、2025年のA'デザインアワード(家具部門)でブロンズ賞を受賞。芸術性、技術力、そして生活の質の向上に寄与するデザインとして高く評価されている。伝統と革新が響き合うこのテーブルは、現代のライフスタイルに新たな価値をもたらす存在となっている。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yilmaz Dogan
画像クレジット: A. Murat ARIK Erinç ULUSOY Giray AYDOS
プロジェクトチームのメンバー: Yilmaz Dogan
プロジェクト名: Focal
プロジェクトのクライアント: QZENS Furniture


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