アマゾンの感覚体験建築「Awakening」が描く新たな自然との共生

サステナビリティと感覚没入が融合するイノベーティブな空間提案

都市化とテクノロジーが加速する現代社会において、自然とのつながりを再発見し、五感を通じて深く自然を体験することの重要性が高まっている。建築家ナタリア・クリスティーナ・デ・ソウザ・ヴィレラ・テリスによる「Awakening」は、アマゾンの生態系と調和しながら、サステナブルな素材と革新的な設計手法を用いて、訪れる人々に唯一無二の感覚体験を提供する建築プロジェクトである。

「Awakening」は、アマゾンの中心地であるペルー・イキトスを舞台に、自然との深い結びつきを追求する没入型体験空間として構想された。プロジェクトのインスピレーションは、テクノロジーが進化する一方で失われつつある自然との絆を再構築し、特にアマゾンの豊かな生態系を守ることの重要性から生まれている。建築と自然環境の融合を目指し、竹などのサステナブルな素材を用いることで、環境への負荷を最小限に抑えつつ、感覚的な没入と景観保全を両立している。

この建築は、アマゾンの森と水の音、触覚や香りといった五感を刺激する設計が特徴だ。訪れる人は、空間に足を踏み入れると同時に、流れる水や森林の音に包まれ、自然との一体感を体験できる。特に、触覚・嗅覚・聴覚を重視した空間構成により、単なる観賞ではなく、身体全体で自然を感じることができる点が際立っている。サステナビリティとバイオミミクリ(生物模倣)を重視し、ランドスケープそのものを主役とする設計思想が、他の建築と一線を画している。

構造は直径31,500mmの円形基礎を持ち、安定性と自然環境との一体化を実現。メインスペースは直径17,000mm、高さ14,000mmとし、自然換気と採光による快適な室内環境を確保している。竹の強度と柔軟性を活かした構造体、低インパクトな組立技術、パッシブデザインの採用により、エネルギー効率と環境調和を両立。現地の素材や技術を活用し、持続可能な未来を見据えた設計がなされている。

体験の流れは、1階で天井からの自然光と閉じた空間による深い音響体験から始まり、植物や滝のように流れる水が五感を刺激する。2階に進むと、アマゾン川が地平線まで広がる壮大な眺望が広がり、自然の偉大さと一体感を強く感じられる構成となっている。建物全体が生態系の一部として機能し、訪問者に新たな気づきと感動をもたらす。

このプロジェクトは、2024年12月から2025年2月にかけて構想され、徹底したリサーチと環境影響評価、社会的文脈の分析に基づいている。最大の課題は、竹など現地素材の制約を乗り越えつつ、遠隔地での持続可能な生産・施工方法を確立することだった。ナタリア・クリスティーナ・デ・ソウザ・ヴィレラ・テリスの設計は、建築と自然の新たな関係性を提示し、持続可能な未来への道筋を示している。

「Awakening」は、2025年のA'デザインアワード建築部門でシルバー賞を受賞。卓越した技術力と芸術性、そして持続可能性への強いコミットメントが高く評価された。自然と共生する新しいライフスタイルのモデルとして、今後の建築やデザインの在り方に大きな示唆を与えている。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Nathália Cristina de Souza Vilela Telis
画像クレジット: Nathália Cristina de Souza Vilela Telis
プロジェクトチームのメンバー: Nathália Cristina de Souza Vilela Telis
プロジェクト名: Awakening
プロジェクトのクライアント: Nathália Vilela


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