このオフィスはイスタンブールのビジネスセンター内に位置し、現代的かつミニマルなデザインが特徴です。広々としたバルコニーとガラスファサードが開放感をもたらし、自然光を最大限に取り入れる設計が施されています。もともとはシンプルなシェル空間だった場所が、アート作品や彫刻、コーヒーマシン、グリーンを取り入れることで、機能性と美しさを兼ね備えたインスピレーションあふれるオフィスへと生まれ変わりました。
エントランスとミーティングルームの床には、グレーの大理石が使用され、その自然な模様ときらめく砂のようなインクルージョンが上品な雰囲気を演出します。ガラスパーティションによって空間の一体感が保たれ、木目調の壁や受付カウンターが温もりを添えています。大理石をカウンターまで延長することで、彫刻的なバスト効果が生まれ、静的な木の印象に動きを与えています。さらに、カウンター上の彫刻やミーティングルームの鮮やかな絵画が来訪者の目を引き、アートとデザインの融合を体感できます。
役員室には魚鱗模様のパーケットフローリングが敷かれ、壁には装飾塗装が施されています。デスクはミーティングと作業の両方に対応し、背面のキャビネットには寄木細工の突板と真鍮のディテールがあしらわれ、洗練された印象を与えます。特別な絵画とガラス前に配置された植物が、空間に彩りと生命感を加えています。
共用エリアでは、防音性に優れたカーペットが採用され、その色調がデスクパーティションにも反映されて統一感が生まれています。家具はライトグレーを基調とし、ミニマルで集中しやすい環境を実現。天井から吊るされた装飾的な鳥やライブラリーの花、真鍮のアクセントが温かみのある雰囲気を醸し出しています。各部屋には透明感のあるガラスパーティションが用いられ、廊下まで自然光を届ける工夫がなされています。
このオフィスは、250平方メートルの有効面積を持ち、エントランスには15名用のミーティングルームやCEOオフィス、共用ワークスペース、キッチン、ラウンジ、バルコニーなどが配置されています。さらに、6名用のミーティングルームや役員室、男女別WC、技術室も備え、機能性と快適性を両立しています。
「Art in the Soul」は、アートとデザインの力で働く人の心に響く空間を実現し、2025年にはA'デザインアワードのインテリアスペース部門でIron賞を受賞しました。オフィスが単なる作業場ではなく、創造性とモチベーションを高める場となる新しい時代のワークプレイスとして注目されています。
プロジェクトデザイナー: Sakura Architecture
画像クレジット: Ali Bekman
プロジェクトチームのメンバー: Sema Yazici, Yadigar Tanriverdi
プロジェクト名: Art in the Soul
プロジェクトのクライアント: Sakura Architecture