伝統と革新が融合する変形ジュエリー「Morphknock」

ペルシャ建築の象徴を纏う、サミラ・アダミ・ダディザデの革新的コレクション

歴史的なペルシャのドアノッカーから着想を得た「Morphknock」は、ホスピタリティやセキュリティ、文化的遺産を象徴する意匠を現代のジュエリーへと昇華させた。伝統的なシンボルとモダンなエンジニアリングが融合し、身に着けるアートとして新たな価値を提案している。

「Morphknock」は、イラン建築に見られるシンメトリーやイスラム幾何学の影響を受けたドアノッカーを、ジュエリーとして再解釈したコレクションである。ラピスラズリ、マラカイト、ブラックオニキス、ダイヤモンドといった天然石が、古代建築の質感や色彩を想起させる。これらの素材が、伝統的な象徴性と現代的な機能美を巧みに融合させ、ダイナミックで多様な装いを可能にしている。

最大の特徴は、ネックレス、ブレスレット、リングへと自在に変形できるメカニズムにある。回転式の両面ジェムストーンは、マラカイトやラピスラズリ、ブラックオニキスの豊かな色調を表現し、経年変化したパティナや酸化鉄の風合いを再現。リバーシブルのレザーストラップは、選んだ宝石に合わせてバンドの色を変えられる設計で、アールデコ調の金属細工が洗練された個性を際立たせる。

製作には18金イエローゴールドを使用し、中央軸にはマラカイトとラピスラズリをダブルフェイスでセット。カーブ部分にはホワイトダイヤモンドが輝きを添える。精密なステップヒンジ構造により、滑らかな可動と耐久性を両立。各パーツは厳格な品質管理のもとで組み立てられ、長く愛用できるクラフトマンシップが息づいている。

操作性にも優れ、中央軸の回転機構で宝石の色を切り替えられる。リング形態では上部が折りたたまれ、シャンクを形成。ネックレスとしてはアーチ部分がチェーンを通す構造に変化し、ブレスレットではレザーストラップがループを滑らかに通過する。ユーザーのライフスタイルやシーンに合わせて自在に変化する多機能性が魅力だ。

このプロジェクトは、2024年12月から2025年2月までイスタンブールで進行。伝統的なドアノッカーのリサーチや3Dデザイン、技術的・芸術的分析を経て、唯一無二の機能美を実現した。サミラ・アダミ・ダディザデは、男女で形状や音色が異なるイスラム文化のドアノッカーに着目し、その象徴性と機構美を現代のジュエリーに落とし込んだ。

「Morphknock」は2025年、A'デザインアワードのジュエリー部門でIron賞を受賞。業界のベストプラクティスと高度な技術を融合させた実用的かつ革新的なデザインとして高く評価されている。伝統と革新が共鳴するこのジュエリーは、日常にアートと物語をもたらす新たな選択肢となるだろう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Samira Adami Dadizadeh
画像クレジット: 3D Modeling and Rendering by: Delaram Nakhli
プロジェクトチームのメンバー: Samira Adami Dadizadeh
プロジェクト名: Morphknock
プロジェクトのクライアント: Samira Adami jewelry Designer


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