ヨット美学が息づく革新的オフィス「Nautilus」

旧造船所をラグジュアリーな販売拠点へと再生

エズギ・ゴクチェによる「Nautilus」は、過去のヨット製造施設を洗練された販売・マネジメントオフィスへと大胆に変貌させたプロジェクトである。ヨットの優雅な曲線や海の流動性を空間に取り入れ、現代的なラグジュアリーと未来的なデザインが融合した新たな体験を提供している。

「Nautilus」は、イスタンブールの旧ヨット工場を舞台に、ヨットの船体や水の流れから着想を得た空間デザインを実現した。エズギ・ゴクチェは、ヨットのクラフトマンシップと海のエッセンスを空間全体に反映させ、来訪者に特別感と革新性を感じさせることを目指した。曲線を多用したレイアウトや、光に導かれる動線設計が特徴的である。

このプロジェクトの中心には、ヨットのフォルムを模した彫刻的なレセプションデスクが据えられている。高光沢ラッカー仕上げの無垢材を用いたこのデスクは、空間の象徴的存在となっている。さらに、特注のLED照明や海をテーマにしたNFTディスプレイが、マリンテイストを一層際立たせている。

床材にはミクロセメントと磨き上げた大理石を組み合わせ、シームレスで反射性の高い表面を創出。ガラスパーティションやメタリックパネルが、開放感と現代的な雰囲気を強調している。全体の設計はISO規格に準拠し、機能性と美しさの両立を追求した。

来訪者は、照明で強調された動線に導かれながら、ラグジュアリーな雰囲気とデジタル要素が融合した空間を体験できる。エグゼクティブエリアにはカスタム家具とガラスパーティションを採用し、プライバシーと開放感を両立。NFTディスプレイなどのデジタルアートが、没入感のある世界観を演出している。

このプロジェクトは、産業空間を高級オフィスへと転換する上で、空間計画や照明バランス、素材選定において多くの課題を克服した。A' Design Awardの受賞は、実用性と革新性を兼ね備えたデザインとして高く評価された証である。

「Nautilus」は、産業遺産を活かしながら、現代のラグジュアリーとテクノロジーを融合させた新しいオフィス空間の在り方を示している。今後、こうした空間デザインが、働く人や訪れる人々の体験をより豊かにしていくことが期待される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Ezgi Gokce
画像クレジット: Ezgi Gokce
プロジェクトチームのメンバー: Ezgi Gokce
プロジェクト名: Nautilus
プロジェクトのクライアント: LONA


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