曲線美とベージュが織りなす静謐な住空間「Gin」

ミニマリズムと地元素材が融合する新しいライフスタイルの提案

新北市に誕生した「Gin」は、Wu Tai-EnとHsieh Tungによるインテリアデザインで、曲線とベージュトーンを基調に、住まい手の個性と暮らし方を映し出す空間です。鋭角を排除した柔らかなフォルムと、視覚的なノイズを抑えた統一感のある色彩が、穏やかで洗練された住環境を実現しています。

「Gin」の最大の特徴は、最小限の要素で最大限の美しさと機能性を追求した点にあります。住まいは約115平方メートルのワンフロアで構成され、最初は何もないシェル状態からスタート。ベージュを基調とした空間は、塗装や造作家具、床材に至るまで一貫性を持たせ、視覚的な広がりと落ち着きを両立させています。床にはマイクロセメントを大胆に採用し、壁や収納にも曲線を多用。これにより、空間全体が滑らかにつながり、目線が自然に流れる設計となっています。

空間の奥行きや立体感は、モザイクタイルやカウンタートップ、パントリーパネル、テクスチャーウォールなど、異なる素材の巧みな配置によって生み出されています。照明計画も緻密で、間接照明やラインライト、スポットライトを組み合わせることで、ドラマティックから柔らかく温かみのある雰囲気まで、多彩な表情を演出。主照明を持たない設計は、写真撮影スペースとしての機能性も考慮されています。

レイアウト面では、曲線を描くエントランスが視線を自然に奥へと誘導し、2つの楕円形天井が空間のリズムを生み出します。リビングからは180度のリバービューが広がり、主寝室の壁を半透明のガラスパーティションにすることで、プライベートとパブリックの境界を柔らかく演出。どこからでも景色を楽しめる設計が、日常に豊かな時間をもたらします。

素材選びやディテールにも、地元へのリスペクトが込められています。キッチンやバスルームのタイルは台湾産を使用し、廊下の壁は施主の幼少期の田舎の家を思わせる素朴な質感を再現。ギャラリーのような廊下の先には、手作業で仕上げた石調の隠し扉が配され、照明によって神秘的な雰囲気を醸し出しています。リビングのデコラティブな枝は、まるで生きたアートピースのように空間を彩ります。

「Gin」は、A' Design Awardのブロンズ賞を受賞し、アート、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを体現する住空間として高く評価されています。ミニマリズムの中に息づく細やかな職人技と、住まい手の人生を映し出すディスプレイが、日々の暮らしに新たな価値をもたらしています。

「Gin」は、曲線とベージュの調和、地元素材の活用、そして緻密な照明設計により、現代のライフスタイルに寄り添う新しい住まいのあり方を提案しています。静謐でありながら個性が際立つこの空間は、住まい手の美意識と日常を豊かに彩り、今後のインテリアデザインに新たなインスピレーションを与えることでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Moodlit Design
画像クレジット: Photographer : HEY CHEESE
プロジェクトチームのメンバー: Wu Tai-En Hsieh Tung
プロジェクト名: Gin
プロジェクトのクライアント: MOODLIT DESIGN


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