ジュンウェイ・シェンによるXloopは、河北省雄安新区のスタートアップ地区に位置し、8万平方メートルに及ぶ広大な敷地に設計された商業施設です。中心には湖が広がり、地上には12の建築クラスターが点在。17のサンクンプラザ(沈下広場)がエントリーポイントとして機能し、エコロジカルなランドスケープと多様な機能空間が有機的に繋がる設計となっています。
このプロジェクトの最大の特徴は、「商業ループ」と呼ばれるリング状の動線設計です。これにより、広大な空間が一体感を持ち、訪れる人々に連続的かつ没入感のある体験を提供します。空間は「光の庭園」「未来の世界」「唐風の集い」という3つのテーマゾーンで構成され、それぞれが人と自然、未来と芸術、コミュニティのつながりを象徴しています。
特に「光の庭園」では、二十四節気をモチーフに四季の移ろいを表現し、自然と共生する都市空間を体現。「未来の世界」では、テクノロジーと芸術が融合した未来都市のビジョンを提示し、来場者に新しい価値観やインスピレーションをもたらします。これらの空間は、単なる商業施設を超え、都市生活者の感性や創造性を刺激する場となっています。
Xloopの設計には、分散したリング状レイアウトをいかに一体的な体験へと昇華させるかという課題がありました。設計チームは、統一されたデザイン言語と巧みなゾーニングによって、都市と自然、商業とアート、個人とコミュニティの境界を溶かし、調和のとれた都市型サンクチュアリを創出しています。
この革新的なアプローチは、2025年のA'デザインアワード(インテリアスペース・リテール・エキシビション部門)でブロンズ賞を受賞。審査員からは「芸術性と機能性を兼ね備え、都市生活の質を高める先進的なデザイン」と高く評価されています。
Xloopは、若い世代やクオリティ志向のファミリー層を中心に、アートを核とした新しいコミュニティの形成と、豊かな都市ライフスタイルの実現に貢献しています。都市と自然、過去と未来、個と社会が交差するこの空間は、次世代の商業施設のモデルケースとして注目を集めています。
プロジェクトデザイナー: Shen Junwei
画像クレジット: Image #1: Photographer arch-exist,Image #2: Photographer arch-exist,Image #3: Photographer arch-exist,Image #4: Photographer arch-exist,Image #5: Photographer arch-exist,
プロジェクトチームのメンバー: Designer: Junwei Shen
プロジェクト名: Xloop
プロジェクトのクライアント: ARIZON