都市のリズムを映す彫刻的照明「Blocks Lamps」

建築と記憶を融合したリオ・ジュンユ・チェンの革新的ランプ

都市建築から着想を得た「Blocks Lamps」は、光と影のコントラストを通じて、空間と記憶の新たな関係性を提案するテーブルランプシリーズである。

リオ・ジュンユ・チェンによる「Blocks Lamps」は、図書館やタワー、タウンハウス、逆ピラミッド、アリーナといった建築物からインスピレーションを受け、日常的な構造をモジュール型の照明器具へと昇華させている。複数のランプを組み合わせることで、まるで都市の街区を思わせる景観が生まれ、光と影が織りなすダイナミックな表情が空間にリズムをもたらす。

このシリーズの特徴は、ミニマルな造形と独特な質感の融合にある。チェンが台湾、シカゴ、ニューヨークと移り住んだ経験が反映され、永続性と一時性の緊張感がデザインに込められている。各ランプは、時間の経過とともに意味が蓄積されるオブジェや空間の象徴として機能し、使う人の記憶や感情と結びつく。

制作技法にも独自性が光る。チェンの版画技術によって生まれた木目模様が、ランプシェードに転写されている。これにより、木の有機的なパターンが新たな素材の表面に現れ、時間や素材の記憶、変容といったテーマが照明デザインに深みを与えている。

各ランプは、ホワイトオーク、スチール、楮紙(こうぞし)といった素材で構成され、タワー、ライブラリー、ピラミッド、アリーナ、ハウスの5種類のフォルムが展開されている。例えば、タワーランプは高さ343mm、ライブラリーランプは幅280mmと、それぞれが建築物を思わせるプロポーションを持つ。

2025年のストックホルム・ファニチャーフェア「グリーンハウス展」で発表された本作は、都市の移動やモジュール性、そして物への感情的なつながりを探求するデザインリサーチプロジェクトとしても位置づけられている。都市景観を彷彿とさせるランプ群は、照明をパーソナルかつ建築的な存在へと再定義し、空間と記憶の架け橋となる。

「Blocks Lamps」は2025年、A'デザインアワードの照明部門でアイアン賞を受賞。業界のベストプラクティスと技術的な完成度を兼ね備え、日常にポジティブな感覚と新たな価値観をもたらす作品として高く評価された。

都市の記憶や移動、時間の流れを照明というプロダクトに落とし込んだ「Blocks Lamps」は、空間に新たな物語をもたらす。建築とデザイン、そしてライフスタイルの交差点で、光が生み出す都市のリズムを体感してみてはいかがだろうか。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Rio Jiunyu Chen
画像クレジット: Image 01 and 02: Studio 57 Image 03: Rio Jiunyu Chen
プロジェクトチームのメンバー: Rio Jiunyu Chen (Me)
プロジェクト名: Blocks Lamps
プロジェクトのクライアント: rio chen studio


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