このプロジェクトは、地域コミュニティへの深いリサーチと交流から始まった。デザイナーと職人たちは、土地の文化や伝統、衣服やテキスタイル技術を学び、刺繍に込められたシンボルの意味を共有した。たとえば、多色のひし形は曜日を、動物のモチーフはその土地の動物相を表現している。これらの要素を、町の地形や交差する通りの形、そして動物のイメージと組み合わせ、現代的なデザインへと昇華させた。
「Huazolo Aphrodites」の最大の特徴は、先住民の伝統技術とデザイナーの現代的な視点が調和している点にある。刺繍職人とデザイナーが対等な立場で知識を交換し、地域のアイデンティティやシンボル、技法を現代ファッションに落とし込んだ。これにより、伝統的な価値観を守りつつ、グローバルなファッションシーンにも通用する新たな衣服が誕生した。
製作過程では、地元のテキスタイルや素材を活用し、サステナビリティを重視。伝統的なウイピルの技法を応用し、パターンを四角や長方形で構成することで、布の無駄を最小限に抑える「ゼロウェイスト」を実現している。この工夫により、環境負荷を減らしながらも、着心地の良いポンチョやブラウス、ドレスが生み出された。
プロジェクトの進行には、距離や文化的な壁を乗り越えるための多くの対話が必要だった。メキシコシティから1000km以上離れた現地とのコミュニケーションや、伝統的なシルエットや技法の理解、持続可能な素材の選定など、数々の課題を乗り越えて完成に至った。結果として、地域の経済的な機会創出にも貢献し、職人の技術と美意識が現代社会に新たな価値をもたらしている。
「Huazolo Aphrodites」は、2025年にA'デザインアワードのファッション部門でシルバー賞を受賞。卓越した技術と芸術性、そしてイノベーションが高く評価されている。伝統と現代、地域とグローバルをつなぐこのプロジェクトは、ファッションを通じて文化の持続可能な未来を示唆している。
伝統の継承とサステナブルなものづくりが融合した「Huazolo Aphrodites」は、ファッションの新たな可能性を切り拓く存在として、今後も注目されるだろう。
プロジェクトデザイナー: Cynthia Gómez Ramírez
画像クレジット: Photographer Silvestre Garcia
Hairstylist Ignazio Muñoz
Makeup artist Ian Bautista
Models Diana Ortiz and Aislynn Diana
Stylist Vanesa Bojalil
プロジェクトチームのメンバー: Cynthia Gomez
プロジェクト名: Huazolo Aphrodites
プロジェクトのクライアント: Ensamble Artesano and Niu Matat Napawika