「Atlantic 003」は、アーマードガラスという通常はセキュリティ分野で用いられる素材を家具デザインに大胆に応用した点で際立っています。両サイドの透明なアーマードガラスがアームレストとして機能し、強度とエレガンスを兼ね備えた構造を実現。回転式のベースにより、耐久性と流動的な動きを両立させています。これにより、インダストリアルな素材が家庭空間に新たな美的価値をもたらしています。
製作には高度なガラスラミネーション技術と伝統的な張り地技法が採用されました。アームレスト部分は複数層のガラスを強固に接着し、間にテキスタイルを挟み込むことで、視覚的な軽やかさと構造的な強さを両立。座面には高品質な素材を用い、快適性と長寿命を追求しています。精密なエンジニアリングにより、ガラスとファブリックの一体感が生み出され、洗練された仕上がりとなっています。
このデザインの実現には、素材研究と人間工学の両面から多角的なアプローチが取られました。ラミネートガラスの強度や柔軟性のテスト、試作とユーザー体験を重ねることで、サポート力と軽やかさの両立が証明されました。アーマードガラスを家具に用いるという業界の常識に挑戦し、持続可能で長く愛されるデザインの可能性を広げています。
最大の課題は、セキュリティ用途のアーマードガラスを快適な家具へと転用することでした。強度と人間工学的な快適性のバランスを取るために、素材調達や精密な接着技術、ファブリックの統合など、細部にわたる工夫が求められました。また、素材の新たな役割を社会的に再解釈する点も重要な挑戦となりました。
「Atlantic 003」は、2024年1月から4月にかけてグアテマラシティで開発され、A'デザインアワード2025のアイアン賞を受賞。業界のベストプラクティスと技術的な完成度を兼ね備えた、実用性と革新性を両立するデザインとして高く評価されています。
アーマードガラスと伝統的な張り地の融合が生み出す「Atlantic 003」は、家具デザインの新たな可能性を提示し、日常空間に未来的な美しさと機能性をもたらします。素材の枠を超えた発想が、これからのライフスタイルに新しいインスピレーションを与えることでしょう。
プロジェクトデザイナー: Fabrizio Constanza
画像クレジット: Fabrizio Constanza
プロジェクトチームのメンバー: Fabrizio Constanza
プロジェクト名: Atlantic 003
プロジェクトのクライアント: Fabrizio Constanza design