氷と炎:デジタル水墨が描く環境アートの新境地

伝統とテクノロジーが融合した没入型舞台インスタレーション

「Frost And Flame」は、Lampo Leong、Yanxiu Zhao、Dan Wangによる革新的なパフォーミングアートと舞台デザイン作品である。地球温暖化という現代社会の緊急課題を、デジタル水墨と現代舞踊の融合によって芸術的に表現し、観客に深い感動と気づきをもたらす。

この作品は、科学者たちの統計や予測に基づき、地球温暖化が人類にもたらす壊滅的な影響をテーマにしている。国際的な環境危機への意識を喚起し、個人や国家が協力して行動する必要性を訴えるため、伝統的な中国水墨画の質感と幾何学的・ジェスチャルな抽象表現を取り入れたデジタル生成映像と舞踊パフォーマンスが展開される。

映像の進行とともに、色彩は冷たいブルーから暖かいレッドへと変化し、温暖化の深刻な影響を象徴的に描写する。しかし、パフォーマンスの終盤でテキストが再び凍結するシーンが現れ、人類の協力による希望の可能性を示唆している。この独自の演出は、伝統と現代、アートと社会課題の融合を鮮やかに体現している。

制作プロセスは、手描きの水墨画を和紙に描くことから始まり、高解像度スキャナーでデジタル化。その後、TouchDesignerなどのソフトウェアを用いて動的な映像表現へと昇華された。4m×7.5m×4.8mのLEDパネルとアクリルミラーで構成された空間は、観客を包み込むような没入体験を実現し、現代舞踊の舞台としても機能する。

「Frost And Flame」は、2024年10月にマカオで始動し、2025年2月に深圳のGlow Shenzhen Light Art Festivalで完成・発表された。環境意識と伝統芸術の革新的な融合が高く評価され、同フェスティバルでゴールドメダルを受賞。また、A' Performing Arts, Stage, Style and Scenery Design Award 2025でシルバー賞を獲得し、技術力と芸術性の高さが国際的に認められた。

本作は、古典的な中国文化の知恵と現代社会の責任を同時に映し出す。伝統芸術がデジタル時代に再解釈され、環境保全というグローバルな課題に対して新たな視点と希望を提示している。

「Frost And Flame」は、アートとテクノロジーの融合が生み出す新たな表現の可能性を示し、観る者に行動を促す力強いメッセージを届けている。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Lampo Leong
画像クレジット: Image #1: Lampo Leong, 2025 Image #2: Lampo Leong, 2025 Image #3: Lampo Leong, 2025 Image #4: Lampo Leong, 2025 Image #5: Lampo Leong, 2025
プロジェクトチームのメンバー: Lampo Leong Yanxiu Zhao Dan Wang Changle Wang Haozheng Wu
プロジェクト名: Frost and Flame
プロジェクトのクライアント: University of Macau Centre for Arts and Design


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