「Field Notes」は、ボタニカルイラストの伝統を現代に蘇らせる試みとして注目を集めています。かつて植物種の記録に不可欠だった観察描写の技術は、デジタル化が進む現代社会で徐々に失われつつあります。本プロジェクトは、黒一色の線画を用いて、葉の形や茎の質感といった自然の微細なディテールを丁寧に描写。印刷物とデジタル両方で鑑賞できるよう設計されており、幅広い層に自然への関心を促します。
制作工程では、まずインクによる手描きのイラストを作成し、その後デジタルで細部を調整。最終的な作品は、野花の種が埋め込まれた100%リサイクルコットンの手漉き紙にプリントされ、サステナビリティへの配慮も徹底されています。これらの作品は、カナダ各地の博物館や植物園、展覧会で展示され、教育的な役割も果たしています。
学術的な精密さと芸術的な表現を融合させるため、現地調査や標本採集を経て、拡大鏡で観察した細部まで描き込みます。特に乾燥・押し葉標本の描写では、保存過程で失われる質感や立体感を再現するため、観察力と創造力が求められました。このような課題を乗り越え、標本の本来の美しさと生態系における役割を伝えています。
「Field Notes」は、教育ガイド、展覧会、デジタル・印刷メディアのビジュアル資産として幅広く活用されており、科学とアートの架け橋となっています。プロジェクトを通じて、鑑賞者が自然の美に気づき、その保全の重要性を再認識するきっかけを提供しています。
この革新的な取り組みは、2025年にA'デザインアワード(グラフィックス・イラストレーション・ビジュアルコミュニケーション部門)でIron賞を受賞。業界のベストプラクティスと高い技術力を評価され、実用性と創造性を兼ね備えた作品として高く評価されています。
「Field Notes」は、現代のライフスタイルにおける自然との新たな関わり方を提案し、アートとサステナビリティの未来を切り拓いています。自然の細部に宿る美しさを見つめ直し、環境保全への意識を高めるアクションが、今こそ求められています。
プロジェクトデザイナー: Seraphina Sol
画像クレジット: Image #1: Seraphina Sol, 2025.
Image #2: Seraphina Sol, 2025.
Image #3: Seraphina Sol, 2025.
Image #4: Seraphina Sol, 2025.
Image #5: Seraphina Sol, 2025.
プロジェクトチームのメンバー: Seraphina Sol
プロジェクト名: Field Notes
プロジェクトのクライアント: Seraphina Sol