Teming Kangによる「バサルト」は、幾何学的な美しさと実用性を兼ね備えたリサイクルビンです。自然の玄武岩が持つ独特の柱状構造をモチーフに、現代の多様で変化する公共空間に調和するデザインが追求されています。モジュール式の構造により、空間や用途に合わせて自由に組み合わせることができ、空港やオフィスビル、都市部の広場など、さまざまな環境で活躍します。
このリサイクルビンの最大の特徴は、各モジュールが目に見えない磁石で連結されている点です。従来のようにビスやボルトで固定する必要がなく、外観を損なうことなく、組み合わせや再配置が簡単に行えます。磁力による接続は、構造の一体感と美しさを保ちながら、柔軟な運用を可能にしています。
製造工程では、アルミニウム合金を曲げ加工し、研磨と粉体塗装によって耐久性と高級感を実現。内部の仕切りやラベルカバーはプラスチック射出成形で作られ、組み立て時にはセルフタッピングネジで固定されます。標準化されたピクトグラム付きの回転式フタは、言語の壁を越えて分別を明確にし、誰もが直感的に利用できる設計となっています。
バサルトの開発は、2024年9月から2025年2月にかけて広州で行われました。空港施設管理者や都市計画担当者、一般利用者へのインタビューや既存製品の分析を通じて、柔軟性と美観、効率性を兼ね備えた廃棄物管理のニーズが明らかになりました。調査では、モジュール式の設計が運用コストの削減やユーザー体験の向上に寄与することも示されています。
最大の課題は、複数のモジュールを美しく連結する方法の開発でした。従来の金具やコネクターでは本体に多数の穴を開ける必要があり、デザイン性を損なう恐れがありましたが、磁石の活用によりこの問題を解決。工具不要で再構成可能なシステムは、保守性と拡張性にも優れています。
この革新的なリサイクルビンは、2025年のA'デザインアワード(家具部門)でアイアン賞を受賞。業界のベストプラクティスと高度な技術を融合し、持続可能で快適な公共空間づくりに貢献するプロダクトとして高く評価されています。
バサルトの登場は、都市や公共施設の廃棄物管理に新たな選択肢をもたらし、今後のサステナブルな社会インフラのあり方に影響を与える可能性を秘めています。柔軟性と美しさを兼ね備えたデザインが、公共空間の質を高める一助となるでしょう。
プロジェクトデザイナー: Teming Kang
画像クレジット: Teming Kang
プロジェクトチームのメンバー: Teming Kang
プロジェクト名: The Basalt
プロジェクトのクライアント: OSHUJIAN