Serasa Digitalは、消費者信用情報を扱うSerasa ExperianのB2Bプラットフォームを全面的に再設計したプロジェクトです。従来、信用サービスへの信頼が根付いていないブラジル市場において、顧客中心のアプローチを徹底することで、ユーザーが安心して利用できるサービスの実現を目指しました。デザインの一貫性を重視し、インターフェースの細部にわたる見直しが行われた点が特徴です。
本プロジェクトの最大の課題は、既存のデジタルレポートの再構築でした。従来のレポートはレイアウトや情報の階層性に問題があり、ユーザーにとって分かりづらいものでした。Rodolpho Henrique氏は、12回にわたるユーザーインタビューを通じて、企業規模に関わらず価値の高い情報を抽出し、顧客のニーズに応じて柔軟にカスタマイズできるモジュール型レポートを開発しました。
Serasa Digitalの設計には、Figmaを用いたデザインワークフローや、Principle App・After Effectsによるモーションプロトタイピングが活用されました。iOSとAndroid向けのモバイルアプリに加え、すべてのユーザーが利用可能なデスクトッププラットフォームも展開されています。これにより、さまざまな利用シーンに対応した利便性の高いサービスが実現しています。
プロジェクト開始前には、25名の顧客との1時間インタビューを実施し、情報の透明性・信頼性・手続きの簡便さという3つの主要課題を特定しました。この調査結果をもとに、ユーザーが購入内容や料金体系を明確に把握できる設計が施され、サポートへの問い合わせ件数削減とコンバージョン率向上に寄与しています。
Serasa Digitalは、2025年にA' Design AwardのIron賞を受賞しました。この賞は、実用性と革新性を兼ね備え、業界のベストプラクティスを反映したデザインに贈られるものです。Serasa Digitalの取り組みは、信用サービスに対する不安を払拭し、より良い社会の実現に貢献するデジタルデザインの好例といえるでしょう。
信頼を軸に据えたSerasa Digitalのアプローチは、今後の金融テクノロジー分野におけるユーザー体験設計の新たな指標となることが期待されています。
プロジェクトデザイナー: Rodolpho Henrique
画像クレジット: Rodolpho Henrique
プロジェクトチームのメンバー: Rodolpho Henrique
プロジェクト名: Serasa Digital
プロジェクトのクライアント: Serasa