プラスチックハート:LEDアートが問いかける持続可能な未来

色彩とテクノロジーで可視化するプラスチック汚染の現実

プラスチックハートは、日常的に消費されるプラスチックが地球環境に及ぼす深刻な影響を、鮮やかなLEDメディアアートとして表現するインスタレーションです。韓国・ソウルのCOEXモールで公開された本作は、観る者に持続可能性と共同責任についての省察を促します。

デザイナーのSuKang Youによる「プラスチックハート」は、プラスチックごみが生態系にもたらす危機をテーマにしたパブリックLEDメディアアートです。廃棄されたプラスチック片をカラフルな心臓の形に再構成し、リズミカルに脈打つ様子をLEDディスプレイで表現。人間、動物、地球いずれの心臓とも取れる曖昧な形状が、観る者に環境問題への自分自身の関わりを問いかけます。

この作品の最大の特徴は、AI生成画像とNeRF(ニューラルラディアンスフィールド)技術を駆使した3Dビジュアライゼーションです。多角的な視点から生成された立体的な心臓が、LEDスクリーン上で没入感あふれる映像体験を生み出します。鮮やかなプラスチック片がクリスマスオーナメントのように輝き、祝祭的な美しさと環境への警鐘が皮肉なコントラストを描きます。

制作には、ジェネレーティブAIによる3Dビジュアル生成とデジタル合成、さらにAfter Effectsなどのポストプロダクションツールが活用されました。COEXモールの4224mm×1944mmのアナモルフィックLEDスクリーンをはじめ、14種類の異なるディスプレイフォーマットに対応。高解像度映像によって、大規模な公共空間でも鮮明なビジュアルを実現しています。

「プラスチックハート」は、視覚的な美しさで観客を引き込みつつ、消費社会がもたらす環境負荷の現実を突きつけます。映像はクリスマスキャロルとともに華やかに始まり、やがてその裏に潜む深刻なメッセージを明らかにします。こうした演出は、日常の中に潜む環境課題への気づきを促し、持続可能な社会への行動を呼びかけています。

本作は2025年、A' Virtual and Digital Art Installations Design Awardでブロンズ賞を受賞。アート、サイエンス、テクノロジーを融合し、社会課題への意識を高める作品として高く評価されています。プラスチックハートは、デジタルアートが社会に果たす新たな役割を示すと同時に、より良い未来への一歩を提案しています。

プラスチックごみ問題は、個人や産業の選択により大きく左右される課題です。「プラスチックハート」が投げかける問いに向き合い、持続可能なライフスタイルへの転換を考えることが、今まさに求められています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: SuKang You
画像クレジット: Image: Creator / Video Designer SuKang You (Graduate School of Visual Communication, Hongik University), Plastic Heart, 2024. Video Credits: Creator / Video Designer SuKang You (Graduate School of Visual Communication, Hongik University), Plastic Heart, 2024.
プロジェクトチームのメンバー: SuKang You
プロジェクト名: Plastic Heart
プロジェクトのクライアント: SuKang You (Hongik University)


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