純粋な半円が描く新しい学びの空間デザイン

半円形とミニマリズムが生む集中と安らぎの融合

大阪・茨木市に誕生した「Pure Semicircles」は、学びの場に求められる集中力とリラックスを両立させるため、半円形を基調とした独自の空間デザインを採用。現代の学生の感性に響く、洗練された学習環境を提案している。

「Pure Semicircles」は、建築家・松本哲也氏によって設計された進学塾であり、2025年にA'デザインアワードのブロンズ賞を受賞した注目のプロジェクトです。コンセプトは、学生が集中して学べるだけでなく、心地よく過ごせる空間づくり。従来の学習塾の枠を超え、現代社会で自分らしさを築くティーンエイジャーにとって魅力的な場所を目指しています。

最大の特徴は、エントランスに設けられた半円形の受付スペース。天井には波打つステンレススチールが用いられ、空間全体を鏡面が反射することで、視覚的な広がりと非日常感を演出しています。受付の中央にはミラーウォールが設置され、半円が完全な円として完成する仕掛けが施されています。このデザインは、限られた面積の中で最大限の開放感と印象的な体験を生み出しています。

内装はホワイトを基調としたミニマルなラインと形状で構成され、余計な装飾を排除。そこに木製ブラインドやグリーンを取り入れることで、温かみとリラックス感を加えています。こうした素材の選択と配置が、シンプルでありながらも豊かな空間体験を実現しています。松本氏は「純粋さと居心地の良さを両立させること」が最大の課題だったと語っています。

空間構成は、受付からコンサルテーションブース、オフィス、そして中央の学習スペースへとシームレスに展開。中央には大きなテーブルと窓際のカウンターが設けられ、さらにアーチ状の開口部を抜けると第二の学習室へとつながります。各エリアは、用途ごとに最適化された照明計画とともに、学生・保護者・スタッフが自然に交流できる動線が確保されています。

技術的には、ドライウォール工法と壁クロス仕上げを中心に、天井には波型ステンレススチールを採用。照明はステンレスの中央および周囲にリニアライトを配し、学習室にはダウンライトを設置しています。全体で約150㎡の空間に、機能性とデザイン性が高次元で融合しています。

「Pure Semicircles」は、都市の喧騒を窓越しに感じながらも、内部では静けさと創造性が共存する学びの場を実現しました。半円というシンプルな形状が、学生の感性と集中力を刺激し、日常を少しだけ特別に変える。今後の教育空間デザインに新たな指標を示す存在となっています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Tetsuya Matsumoto
画像クレジット: Image #1: photographer ©Stirling Elmendorf Photography, Pure Semicircles, 2025. Image #2: photographer ©Stirling Elmendorf Photography, Pure Semicircles, 2025. Image #3: photographer ©Stirling Elmendorf Photography, Pure Semicircles, 2025. Image #4: photographer ©Stirling Elmendorf Photography, Pure Semicircles, 2025. Image #5: photographer ©Stirling Elmendorf Photography, Pure Semicircles, 2025.
プロジェクトチームのメンバー: Tetsuya Matsumoto
プロジェクト名: Pure Semicircles
プロジェクトのクライアント: Seigakusha Co., Ltd.


Pure Semicircles IMG #2
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