このカタログのデザインは、デネシュ・ヴァレリアとサンドール・ガリンベルティという二人の画家の人生と芸術的な結びつきから着想を得ています。二人の関係は、ハンガリーの作家ジョラーン・シモンの言葉「この二人は、互いに日差しを奪うことなく、並んでまっすぐに伸びる二本の高く細い木のようだった」に象徴されており、その精神が紙面全体に息づいています。
本書の最大の特徴は、タイポグラフィーに独自のリガチャ(合字)を用いることで、二人の画家の強い人間的なつながりを視覚的に表現している点です。既存のセリフ体フォントでは理想的なリガチャが見つからなかったため、Modelistaフォントをベースに独自のリガチャセットを開発。これにより、二人の作品が一体となった「共有されたオーヴル(作品群)」というテーマを、静かに、しかし力強く伝えています。
カタログは英語版とハンガリー語版の2巻構成で出版され、両画家が好んだ細かな織りのリネン生地で装丁されています。カバーは取り外し可能なポスターとしても楽しめ、ハンガリー語版にはデネシュ・ヴァレリア、英語版にはサンドール・ガリンベルティの絵画があしらわれています。青いクロス地に金箔で名前のみを刻印するシンプルなデザインは、ダストジャケットの色彩豊かな絵画を際立たせています。
編集作業では、二人の作品がしばしば区別できないほど密接であったという研究成果を反映し、キュレーターのゲルゲイ・バルキによる最新の学術調査をもとに、展覧会以上に充実した資料を掲載。372ページにわたる本書は、失われた作品群を可能な限り網羅し、現存する絵画の再評価と新たな発見を促しています。
また、来場者が重要な絵画の複製をオリジナルに近い比率で持ち帰れるよう、ポスター仕様のダストジャケットを採用。展覧会の体験を自宅でも味わえる仕掛けが、アートと生活をつなげています。
本カタログは、2025年A' Print and Published Media Design AwardでIron賞を受賞。実用性と革新性を兼ね備え、産業界のベストプラクティスを体現するデザインとして高く評価されています。アートとデザイン、そして人間の絆を讃える一冊として、今後も多くの人々にインスピレーションを与えることでしょう。
プロジェクトデザイナー: Andorka Timea
画像クレジット: © Timea Andorka, 2025
プロジェクトチームのメンバー: graphic design: Timea Andorka
プロジェクト名: The Galimberti
プロジェクトのクライアント: Timea Andorka