「コーナーポケット」は、マグネット式で手首に装着するビリヤードチョークホルダーとして設計されています。さまざまな形状のチョークに対応し、カラーバリエーションや素材、仕上げも豊富にカスタマイズ可能です。二つの強力なネオジム磁石がホルダーをしっかりと固定し、横にスライドさせるだけで簡単に着脱できます。チョークは摩擦で保持され、キューの先端で下から押し出すことで簡単に交換可能。20mm幅の標準時計バンドに対応し、多様なチョークブランドや形状に合わせてホルダー部分を交換できる点も特徴です。
このプロダクトは、3Dプリント技術を活用してコスト効率と多彩なカスタマイズ性を実現しています。プロトタイピングには時計部品や磁石を用い、機能性を徹底的に検証。その後、最適な3Dプリント方式を選定し、量産体制と多様な仕上げの両立を可能にしました。これにより、エントリーモデルから高級モデルまで幅広い展開が期待されています。
ユーザーリサーチでは、従来のチョークホルダーが衣服を汚したり、プレイ中に外れやすいなどの課題が浮き彫りになりました。手首に装着することで、チョークへのアクセスが格段に向上し、ショット精度やプレイの流れを維持できることが確認されています。SLS方式の3Dプリントは耐久性とコスト面で優れ、今後の製品展開やスポーツギアとウェアラブルの橋渡しとしても注目されています。
最大の技術的課題は、磁石をネジや接着剤なしで確実に固定し、かつ組み立てやすい構造を実現することでした。試行錯誤の末、三部品のインターロック構造を採用。さらに、CNC加工や3Dプリントのコスト比較を重ね、最適な生産手法を確立しました。これにより、多様な仕上げやカラーバリエーションを持つ製品ラインナップが実現しています。
「コーナーポケット」は、2025年のA'デザインアワード(スポーツ用品部門)でIron賞を受賞。実用性と革新性、そしてプロフェッショナルな技術要件を満たすデザインとして高く評価されています。ビリヤード愛好家のライフスタイルに新たな選択肢をもたらすこのプロダクトは、今後もスポーツギアとウェアラブルデザインの融合を牽引する存在となるでしょう。
新しいプレイ体験を求めるビリヤードプレイヤーにとって、「コーナーポケット」は、機能性と美しさ、そして利便性を兼ね備えた次世代アクセサリーとして注目されています。
プロジェクトデザイナー: Tamás Fekete
画像クレジット: Image #1: 3D Visualization by Tamás Fekete, Corner Pocket, 2024.
Image #2: 3D Visualization by Tamás Fekete, Corner Pocket, 2024.
Image #3: 3D Visualization by Tamás Fekete, Corner Pocket, 2024.
Image #4: 3D Visualization by Tamás Fekete, Corner Pocket, 2024.
Image #5: 3D Visualization by Tamás Fekete, Corner Pocket, 2024.
Video Credits: Animation by Tamás Fekete, Corner Pocket, 2024.
プロジェクトチームのメンバー: Tamás Fekete
プロジェクト名: Corner Pocket
プロジェクトのクライアント: Openend Design Ltd.