キャンパスの新たな象徴、開かれた芝生「ユニバーシティ・スクエア」

自然と交流が融合する、次世代型大学空間の誕生

香港理工大学の中心に誕生した「ユニバーシティ・スクエア」は、既存の低利用エリアを2,200平方メートルの芝生とオープンスペースへと再生。自然遺産の保全とコミュニティの新しい交流様式を両立させ、現代的な大学生活にふさわしい象徴的な場を創出した。

キャンパス・ディベロップメント・オフィスが手がけた「ユニバーシティ・スクエア」は、従来の学術施設中心の空間設計から一線を画し、オープンで歩行者にやさしい芝生広場を実現した。約60メートル×36メートルの広大な芝生は、キャンパスの中心に新たなランドマークを生み出し、各ブロック間の回遊性を大幅に向上させている。

このプロジェクトの特徴は、2本の樹齢を重ねた大木を保存し、木製デッキと一体化させた点にある。手作業で現地施工された不規則形状のデッキは、温もりある木材の質感とともに、利用者が集い、自由に交流できる多層的な空間を提供。自然と人が調和する新たなキャンパスデザインのパラダイムを提示している。

設計段階では、若い世代の「見られること」「交流すること」への志向を詳細にリサーチ。広々とした芝生と木陰のデッキは、開放感と快適さを両立し、誰もが気軽に集い、リラックスし、つながりを感じられる場所となった。これにより、従来の広場の美観だけでなく、現代的なソーシャルニーズにも応える空間が実現している。

施工面では、香港が記録的な大雨に見舞われた2023年夏、夏季休暇期間に工事を集中的に実施するという大きな課題に直面。段階的な工事計画と柔軟なスケジュール調整により、キャンパスの通常運営や歩行者動線への影響を最小限に抑えた。

この芝生広場は、日常の憩いの場としてだけでなく、フラッグセレモニーや卒業式、情報デー、学術フェア、文化イベントなど多彩な催しの舞台としても活用可能。香港理工大学の先進的かつ包摂的な姿勢を象徴し、コミュニティの一体感と自然とのつながりを強化する役割を果たしている。

「ユニバーシティ・スクエア」は、産業界のベストプラクティスを取り入れた実用的かつ革新的なデザインとして、2025年A' ランドスケープ・プランニング&ガーデンデザイン賞アイアン賞を受賞。今後も大学キャンパスのあり方に新たな可能性を提示し続けるだろう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Campus Development Office
画像クレジット: The Hong Kong Polytechnic University
プロジェクトチームのメンバー: Architect: AJAR Ltd. Landscape Consultant: SLSL Structural Consultant: KHAL E&M Consultant: EGIS
プロジェクト名: The University Square
プロジェクトのクライアント: The Hong Kong Polytechnic University


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