「Phoenix Kanri」のデザインは、社名「フェニックス」に込められた「何度でも蘇る」という願いを体現しています。エントランスには、鳥の主翼をモチーフにした造形が取り入れられ、羽根の間を流れる空気の動きが空間全体にダイナミズムを与えています。これにより、来訪者はオフィスに足を踏み入れた瞬間から、企業の理念と活力を直感的に感じ取ることができます。
オフィス移転は、事業拡大によるスタッフ増加に対応するために実施されました。徹底した利用状況調査の結果、多様な働き方に応えるため、従業員用のメインエリアに加え、ゲスト向けの会議室やVIPエリアが新設されています。これらの空間は、企業文化の再生と活性化を促進する場として機能しています。
技術面では、三層の合わせガラスを用いた手すりが奥行きと立体感を演出。サンドブラスト加工されたガラスは、羽根モチーフの影を美しく浮かび上がらせ、空間に繊細な表情を与えています。廊下には、海中から見上げたような光景を再現するため、ミラー仕上げの波型パネルと長い照明が設置され、訪れる人々に没入感を提供します。
コワーキングスペースはオフィスとは独立した設計で、イベントや社内集会にも対応可能な柔軟性を持たせています。建築会社としての専門性を活かし、石や木材などの自然素材を随所に採用。高齢のゲストにも配慮し、動きやすさや立ち上がりやすさを重視した家具設計がなされています。
設計段階では、フェニックスの翼や風の流れを表現するため、6パターンの天井装飾が検討されました。アトリウムから立ち上がる3D形状の統一感や、曲線に沿った照明の配置、壁面のカットラインなど、細部に至るまで多数のモックアップと検証が重ねられています。抽象的な要望を具体的な空間体験へと昇華させた点が高く評価され、2025年にはA' Design Awardの銀賞を受賞しました。
「Phoenix Kanri」は、企業の再生と成長を象徴するデザインと、自然素材の温もり、先進的な空間演出が融合したオフィスの新たなスタンダードを提示しています。働く人々やゲストが心地よく過ごせる環境づくりが、これからのオフィスデザインに求められる指針となるでしょう。
プロジェクトデザイナー: GOOD PLACE
画像クレジット: SS Co., Ltd.
プロジェクトチームのメンバー: Designer:Kazushi Iwamoto
PM:Toshihiko Horii
Director:Naoto Doi
プロジェクト名: Phoenix Kanri
プロジェクトのクライアント: Good Place