伝統と革新が融合するレザーアートチェア「Forma」

馬具の美学を現代家具に昇華したJaewoo Choiの挑戦

「Forma」は、伝統的な馬具製作の技術と現代的なデザイン感覚を融合させた、唯一無二のレザーチェアです。サドルの進化に着想を得て、ウェットモールディングという古来の革加工技術を現代の家具デザインに応用。素材の本質と職人技の美しさを再解釈し、アートと機能性を兼ね備えた新たな家具の可能性を提示しています。

「Forma」は、馬の鞍(サドル)の流麗なシルエットを現代的な椅子に再構築した作品です。デザイナーのJaewoo Choiは、ウェットモールディングという伝統的な革加工技術を用い、植物タンニンなめし革を精緻かつ立体的に成形。これにより、柔らかさと剛性が絶妙に融合した独自のフォルムが生まれています。

この椅子の最大の特徴は、革の可塑性を最大限に引き出し、構造体としての強度と彫刻的な美しさを両立させている点です。ウェットモールディングは、革を水で柔らかくし、型に合わせて成形・乾燥させることで、従来の平面的な革細工では実現できなかった複雑な曲面や立体感を実現します。これにより、伝統的なクラフトマンシップが現代の造形美へと昇華されています。

「Forma」は、座るための家具であると同時に、空間に彫刻的な存在感をもたらすアートピースとしても機能します。座面や背もたれの曲線は、快適性とサポート性を両立し、住宅やオフィス、ギャラリーなど多様な空間に調和します。素材には、植物タンニンなめし革、MDF、スチールを採用し、幅560mm×奥行605mm×高さ670mmというバランスの取れたサイズ感です。

本プロジェクトは、2023年1月から5月にかけて米国ロードアイランド州プロビデンスで進行。デザイナーは、ウェットモールディングの可能性を探求するため、実験的なプロセスを重ね、革の柔軟性や構造的限界を分析。伝統技術の新たな応用方法を模索し、素材主導のデザイン研究を通じて、現代家具における革の役割を再定義しています。

この革新的なアプローチは、2025年のA'デザインアワード(家具部門)でIron賞を受賞。産業的要件と職人的美意識を両立し、実用性と感動をもたらすデザインとして高く評価されました。伝統工芸の新たな可能性を切り拓く「Forma」は、現代のライフスタイルに新しい価値観を提案しています。

伝統技術と現代デザインの融合が生み出す「Forma」は、空間に新たなリズムと洗練をもたらします。素材の美しさと職人技の粋を感じるこの椅子は、アートと日常の境界を超え、未来の家具デザインにインスピレーションを与え続けることでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Jae Choi
画像クレジット: Image #1: Creator Jaewoo(Jae) Choi, Forma, 2023. Image #2: Creator Jaewoo(Jae) Choi, Forma, 2023. Image #3: Creator Jaewoo(Jae) Choi, Forma, 2023. Image #4: Creator Jaewoo(Jae) Choi, Forma, 2023.
プロジェクトチームのメンバー: Jae Choi
プロジェクト名: Forma
プロジェクトのクライアント: Jae Choi


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