朝の光を纏う家具「Dawn」：伝統と革新の融合

新中華スタイルがもたらす現代的な安らぎと美しさ

デザイナーの魏敬業（Wei Jingye）氏と于小偉（Yu Xiaowei）氏による「Dawn」は、朝焼けの柔らかな色彩と静けさを家具の形状とカラーに落とし込んだ作品である。椅子のフォルムは中国伝統の円椅子から着想を得ており、無垢材の支柱と柔らかなプラスチックボディのコントラストが、シンプルで滑らかな全体像を生み出している。

この家具セットは、詩的で穏やかなイメージを持ち、新しい始まりや朝の柔らかな光を象徴している。伝統的な円椅子の清らかで滑らかなラインと、鮮やかなカラーリングを組み合わせた新中華デザインが特徴的だ。テーブルと椅子のセットは、ライトブルーの3Dプリントボディと木製脚を組み合わせ、温かみと現代的な美しさを両立している。

製造には、オリジナルカラーの無垢材をCNC技術で機械加工し、手作業で丁寧に研磨。主要部分は3Dプリント技術と差し込み式の組立構造を採用している。これにより、輸送が容易で、形状の自由度も高い。サイズは椅子が690mm×540mm×820mm、テーブルが1430mm×750mm×750mmと、日常のリラックス空間に最適な設計となっている。

「Dawn」は、読書やお茶、休息や遊びなど、さまざまなレジャーシーンにフィットする。素材には無垢材と3Dプリントプラスチックを使用し、フレッシュで活気ある色合いがインテリアのアクセントにもなる。伝統的な座具と現代の新素材を組み合わせることで、中国家具の継承と革新を同時に実現している。

本作は、2024年1月から瀋陽でデザインが始まり、同年6月に完成。魯迅美術学院のミュージアムで展示され、2025年にはA'デザインアワードの家具部門でブロンズ賞を受賞した。審査員からは、芸術・科学・デザイン・テクノロジーのベストプラクティスを体現し、生活の質向上に寄与する点が高く評価された。

伝統と現代性の融合、そして快適性と機能性の両立を追求した「Dawn」は、現代のライフスタイルに新たな安らぎと美しさをもたらす。今後もこのような革新的な家具デザインが、日常空間にさらなる豊かさをもたらすことが期待される。