劇場の流れを住空間に昇華した「Theater House」

分割レベル設計で生まれる新しい居住体験

ジャカルタの住宅地に誕生した「Theater House」は、劇場のダイナミックな構成から着想を得て設計された住宅です。Tonny Wirawan Suriadjajaによる本プロジェクトは、分割レベルの空間構成と自然素材の融合により、住まいとパフォーマンス、そして自然を一体化させる新たなライフスタイルを提案しています。

「Theater House」は、劇場の階段状の客席を思わせるスプリットレベル(分割レベル)設計が特徴です。住まいの中心には「舞台」ともいえるオープンなリビングスペースが配置され、屋内外がシームレスにつながる構造となっています。大きな開口部からは光と風が自由に巡り、グレーのテクスチャーペイントや木材などの自然素材が、ミニマルな劇場セットのような雰囲気を醸し出します。

この住宅の最大の特徴は、各空間が分割レベルで連続し、玄関から住まいの中心部まで一体感のある動線を実現している点です。プールサイドテラス、リビング・ダイニング、屋根付き多目的テラスが一続きの空間として広がり、視線や動きが遮られることなく、開放感に満ちた住環境を生み出しています。

2階部分にはプライベートな寝室が配置され、それぞれがテラス状の屋上庭園とつながっています。これにより、都市の中でも自然を身近に感じられる生活が可能となり、住まいの中に「パフォーマンス」「自然」「暮らし」が調和する独自の体験が創出されています。

外壁には3色のグレーで仕上げた特殊なテクスチャーペイントが施され、コンクリートのような質感を演出。随所に配された天然木の板や植栽とのコントラストが、ナチュラルで心地よい空間を際立たせます。玄関上部のプランターボックスは、外部からの視線を和らげつつ、室内からは緑豊かな眺めを楽しむことができます。

建築面積は約15.4m×10m×12.7m、敷地全体は20.5m×10m。都市住宅としての機能性と、劇場のような非日常性を兼ね備えた設計が高く評価され、2025年にはA' Design Awardの建築部門でシルバー賞を受賞しています。

「Theater House」は、住まいの在り方を再定義するイノベーティブな住宅として、都市生活に新たな価値とインスピレーションをもたらしています。空間の流れや自然との融合を重視する住まいづくりのヒントとして、今後の住宅デザインにも大きな影響を与えることでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Tonny Wirawan Suriadjaja
画像クレジット: Photographer: Mario Wibowo
プロジェクトチームのメンバー: Tonny Wirawan Suriadjaja
プロジェクト名: Theater House
プロジェクトのクライアント: TWS and Partners


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