伝統と革新が融合するコロンペ包装デザインの魅力

ケルマン文化を現代に伝えるサジャド・イザディの挑戦

イラン・ケルマンの伝統菓子「コロンペ」を現代的なパッケージで蘇らせたサジャド・イザディのデザインは、アートと文化、そしてイノベーションが見事に調和した一例として注目を集めています。

コロンペは、イラン南東部ケルマンの伝統的な焼き菓子であり、長い歴史を持つ地域文化の象徴です。サジャド・イザディは、この菓子のパッケージデザインにおいて、ケルマンの祖先を思わせる男性の長い口ひげやペルシャ模様の衣装を描いたイラストを採用しました。この意匠は、ケルマンの人々が大切にしてきた祝祭や集いの記憶を呼び起こし、消費者に郷愁と親しみを感じさせます。

イラン国内では、伝統的な食品が工業製品に押され市場での存在感を失いつつあります。コロンペは健康志向のクッキーとして、グレープシロップで甘みを加え、デーツ(ナツメヤシ)のフィリングを使用。食後も重くならず、エネルギーを感じられる点が特徴です。レザブランドは、この高品質な伝統菓子を新たなアプローチで市場に提案し、若い世代にも受け入れられるよう工夫しています。

環境配慮もデザインの重要な要素です。パッケージには水性コーティング材を使用し、廃棄後の環境負荷を低減。印刷には鮮やかな色彩とゴールドを取り入れ、店頭での視認性と高級感を演出しています。菓子は食品グレードのワックスペーパーで丁寧に仕切られ、衛生面にも配慮されています。

このデザインの最大の特徴は、アートとしてのイラストレーションの存在感です。パッケージの背景に描かれたラインアートは、商品そのものよりもまずアートとして鑑賞されることを意図しています。各フレーバーごとに異なる色彩が用いられ、視覚的にも味覚的にも楽しめる工夫がなされています。

プロジェクトは2022年8月にケルマンで始動し、2023年5月にテヘランで完成。市場投入後、従来の製品にはなかったケルマンやイランの芸術性を取り入れた点が高く評価され、消費者からの支持が日々高まっています。デザインリサーチでは、文化とアート、そして市場の間に存在するギャップを埋めることが課題とされましたが、サジャド・イザディは伝統と現代性を融合させることで新たな価値を創出しました。

この革新的なパッケージデザインは、2025年のA'パッケージデザインアワードでブロンズ賞を受賞。アート、サイエンス、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを体現し、生活の質の向上に貢献するデザインとして国際的にも認められています。

伝統と現代、アートと実用性を見事に橋渡ししたコロンペのパッケージは、今後のイランデザイン界に新たな潮流をもたらすことでしょう。文化の継承と革新の両立を目指すデザイナーやブランドにとって、重要なインスピレーションとなるはずです。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Sajad Izadi
画像クレジット: Graphic Designer: Sajad Izadi
プロジェクトチームのメンバー: Graphic Designer: Sajad Izadi
プロジェクト名: Kolompeh
プロジェクトのクライアント: Reza Sweets and Nuts


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