白浜の海と光を映すイタリアンレストラン「303」

ポリカーボネートの仕切りが生む、自然と調和する空間体験

和歌山県・白浜の美しい海岸線を望む「303 Shirahama Italian」は、自然の光と景色を室内に取り込み、訪れる人々に新たな体験を提供するレストランです。デザイナーの神田亮平氏は、白良浜の記憶や風景を空間に昇華し、地域と環境のつながりを感じさせるデザインを実現しました。

白浜の象徴である白良浜ビーチ。その美しい景観と、海と街が織りなす歴史や人々の記憶が、このレストランのインスピレーションの源となっています。神田亮平氏は「海と街のつながり」をテーマに、店内からも海の存在を感じられる空間づくりを目指しました。海辺の記憶を呼び起こすデザインは、訪れる人々に土地への親しみや安らぎをもたらします。

最大の特徴は、ダイニングエリアを構成するポリカーボネート製の仕切りです。この素材は、リブ構造による光の反射・屈折効果を持ち、太陽光や照明の光を受けて時間とともに表情を変えます。仕切りの上部にはペンダントライトやブラケットライトが配置され、光が柔らかく拡散。外の海景色を映し出しながら、室内と屋外がシームレスにつながる没入感のある空間を生み出しています。

ポリカーボネートの表面にはブルーグラデーションフィルムが施されており、海のきらめきを想起させる効果を強調。床にはモルタル仕上げやイタリア製タイル(Marazzi/ceppo di gre greige)を採用し、素材感と色調で落ち着きと上質さを演出しています。仕切りはカスタムメイドで、光と景色の変化を最大限に活かす配置が徹底的に検証されました。

このプロジェクトでは、既存建物の再利用や自然光を活かす素材選定など、サステナビリティと建築的誠実さも重視されています。環境への負荷を抑えつつ、地域の景観や親しみやすさを損なわない設計が評価され、2025年にはA' Design Awardのブロンズ賞を受賞しました。これは、芸術・科学・デザイン・技術のベストプラクティスを取り入れ、生活の質向上に貢献する優れたデザインに贈られるものです。

「303 Shirahama Italian」は、自然の美しさと快適さを誰もが感じられる普遍的な価値として捉え、デザインと環境、そして人とのつながりを空間に表現しています。光と海が織りなす唯一無二の体験を、ぜひ現地で味わってみてはいかがでしょうか。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Ryohei Kanda
画像クレジット: Design credit: Roito Inc. Photo credit: Nacasa&Partners
プロジェクトチームのメンバー: Ryohei Kanda
プロジェクト名: 303 Shirahama Italian
プロジェクトのクライアント: Roito Inc.


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