伝統と現代が融合するアジズハウス:砂漠に佇む静謐な住まい

サウジ文化と地中海建築、モロッコ素材が織りなす持続可能な家

アジズハウスは、サウジアラビア・ブライダの砂漠地帯に誕生した、伝統と革新が調和する住宅です。サラ・ハルハシュ率いるデザインチームは、キクラデス建築の量感や日陰のファサード、ナジド文化の幾何学模様と鮮やかな色彩、そしてモロッコの土の温もりを融合。地域環境への敬意と快適な居住性を両立させ、現代的なサンクチュアリを実現しています。

アジズハウスは、家族のための静かな隠れ家として設計され、砂漠の自然環境と一体化することを目指しています。建物は受動的な冷却や自然換気、巧みな日射遮蔽を取り入れ、サウジアラビアの厳しい気候でも快適な空間を提供します。伝統的な建築手法を現代的に再解釈し、持続可能性とプライバシーを確保。これにより、地域文化への敬意と現代的なライフスタイルの調和が生まれています。

ファサードには、モロッコ伝統のタデラクトというエコ素材を採用。天然石灰を手作業で塗り重ね、圧縮・研磨して艶やかな防水層を形成し、オリーブオイル石鹸で仕上げることで耐久性を高めています。この有機的な質感が、外観に静けさと温かみをもたらし、自然とのつながりを感じさせます。

設計の過程では、現地の砂漠環境やサウジ文化を徹底的にリサーチ。クライアントの「プライバシーとラグジュアリーの両立」という要望に応え、地元で調達可能なエコ素材や革新的なブリーズブロックの製造方法を模索しました。ランドスケープにはサボテンやカモ池を配置し、自然な冷却効果も追求しています。

最大の挑戦は、キクラデス、ナジド、モロッコという三つの異なる建築様式を、文化的伝統を尊重しつつ美しく融合させることでした。設計チームは、クリーンなラインと広がるガラスファサード、光と影のバランスを巧みに取り入れ、屋内外の連続性と開放感を実現。ブリーズブロックや木材、ヤシの葉を用いた素材構成が、洗練された温もりある空間を演出しています。

アジズハウスは、2025年A'デザインアワード建築部門でシルバー賞を受賞。その卓越した技術力と芸術性、そして革新性が高く評価されました。現代のライフスタイルに寄り添いながら、地域文化と環境への敬意を体現するこの住宅は、静謐な癒しの空間として新たな価値を提案しています。

アジズハウスは、伝統と現代、自然と人間の調和を追求する住まいの新しいあり方を示しています。持続可能なデザインと文化的アイデンティティの融合が、今後の住宅建築に新たなインスピレーションを与えることでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Sarah Harhash
画像クレジット: Sarah Harhash
プロジェクトチームのメンバー: Sarah Harhash Ahmed Nader Mustafa Hussain Abdulrahman Ahmed
プロジェクト名: Aziz House
プロジェクトのクライアント: SHI Architecture


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