スパイラル型CLT高層建築が描く新しい都市のランドマーク

ウィリアムズバーグの未来を切り開くサステナブルな木造タワー

スパイラ・シルヴァは、ニューヨーク・ウィリアムズバーグのウォーターフロントに誕生した、革新的な木造高層建築です。Hao ZhongとYuchen Qiuによるこのプロジェクトは、伝統的な木造建築の枠を超え、都市と自然の新たな関係性を提案しています。

スパイラ・シルヴァの着想は、設計者がスポケーンの木材工場を訪れた経験に端を発します。木造高層建築が珍しいニューヨークで、彼らはCLT(クロス・ラミネイテッド・ティンバー)構法の可能性に魅了され、従来の積層手法を超えた表現力豊かなタワーの実現を目指しました。まるで巨大な樹木の内部に住むような感覚を都市生活にもたらすことが、この建築の根幹にあります。

本プロジェクトの最大の特徴は、ねじれたCLTパネルを主要構造体として用いる点です。これにより、動的で有機的な外観と高い構造効率を両立。各階の内部空間は、開放的なレイアウトからプライベートな個室まで多様に変化し、用途に応じて柔軟に対応します。この設計は、温かみや活気、そして帰属意識を居住者にもたらすことを意図しています。

実現には、先進的なデジタルモデリング技術とパラメトリックデザインツールが活用されました。CLTパネルのねじれはプログラム制御により生み出され、複雑な形状と構造効率のバランスを実現。さらに、持続可能な素材選定によってカーボンフットプリントの削減にも寄与しています。典型的なCLT壁パネルやグルーラム柱、木目調メタルパネルなど、細部にわたるスペックも高い水準で設計されています。

スパイラ・シルヴァは、居住者と空間の新たなインタラクションを生み出します。ねじれた構造が多様な空間体験を可能にし、戦略的に配置された開口部から自然光と風を取り込みます。これにより快適性とエネルギー効率が向上し、都市生活に新しいウェルビーイングをもたらします。コラボレーションからプライベートなひとときまで、多様な活動を支える柔軟性も大きな魅力です。

このプロジェクトは、CLTの自己成形技術や構造解析、日照シミュレーションなど、最先端の研究成果を積極的に取り入れています。設計過程では、構造的な実現可能性や効率性、そして空間の質を高めるための検証が重ねられました。こうした挑戦の積み重ねが、都市と自然をつなぐ新たなランドマークの誕生につながっています。

スパイラ・シルヴァは、2025年のA'デザインアワード建築部門でゴールド賞を受賞し、その革新性と社会的インパクトが高く評価されました。都市の未来像を描くこの建築は、サステナブルな都市生活の新たな指標となることでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Hao Zhong & Yuchen Qiu
画像クレジット: Hao Zhong, Yuchen Qiu
プロジェクトチームのメンバー: Hao Zhong, Yuchen Qiu
プロジェクト名: Spira Silva
プロジェクトのクライアント: Hao Zhong and Yuchen Qiu


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