移動生活に寄り添う機能美:Axelコートハンガーの革新

軽量で分解可能、現代の暮らしに最適化された収納家具

現代の都市生活者にとって、家具の柔軟性と機能性は重要な要素となっています。イヴァン・レヴァクとイヴァ・グルギッチによる「Axel」は、移動の多いライフスタイルに対応し、デザイン性と実用性を両立させた自立型コートハンガーです。

「Axel」は、学生時代の頻繁な引っ越しや仮住まいの経験から着想を得て誕生しました。多くの人が一時的な家具に頼る中で、「お気に入りの家具をどこへでも持ち運びたい」という願いを叶えるべく設計されています。人の身長ほどのサイズでありながら、簡単に分解してフラットな箱に収納できるため、手で持ち運ぶことも自転車で運ぶことも可能です。

このコートハンガーの最大の特徴は、「掛けるアイテムが増えるほど安定感が増す」という点にあります。従来のコートハンガーは、重いコートやジャケットを掛けるとバランスを崩しがちですが、「Axel」は重力を味方につけ、中央軸を活かして安定性を確保しています。スチールジョイントと無垢材の脚という2つの主要パーツを3セット組み合わせるだけのシンプルな構造で、修理も容易です。

素材には3mm厚のスチールと4×2cmのオーク無垢材を使用し、軽量化と強度の両立を実現。18本のネジで固定するだけで、最大15点の衣類を収納できる頑丈なハンガーとなります。組み立ても六角レンチ一本で一人で簡単に行え、日常の使い勝手にも配慮されています。

高さ170cm、幅44cm、重さ4kgというコンパクトな設計で、173×9×4cmのフラットな箱に収まるため、狭い玄関や廊下にもフィットします。デザインの過程では、既存のハンガーの「3本脚」の配置や安定性の課題を研究し、フックの向きを内側にするなど独自の工夫が施されています。

「Axel」は、2021年にザグレブで構想され、2023年のミラノ・サローネでプロトタイプが初披露されました。パンデミック下での試作や素材研究を経て、デザインと技術の融合を実現。2025年にはA'デザインアワードのブロンズ賞を受賞し、生活の質を高める優れた家具として高く評価されています。

「Axel」は、現代の多様なライフスタイルに寄り添う新しい収納家具のあり方を提案しています。引っ越しや模様替えが多い都市生活者にとって、機能美と携帯性を兼ね備えたこのコートハンガーは、日常をより快適に彩る存在となるでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: ivan levak
画像クレジット: Photo by Marija Gasparija
プロジェクトチームのメンバー: Ivan Levak, Iva Grgic
プロジェクト名: Axel
プロジェクトのクライアント: Iva.n Design Studio


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