横浜シンフォステージは、オフィス、ホテル、商業施設が一体となった都市型複合施設です。プロジェクトの設計は大林組が手掛け、みなとみらい地区の中心地に位置しながら、周辺エリアとの歩行者動線を再編成。2本の主要な歩行者軸が交差する敷地に、多層的な広場空間を展開し、これまで分断されていた都市空間を立体的に結びつけています。
施設の低層部には、音楽イベントや市民活動など多様な催しが行われる公共施設が集約されています。これらの広場は、屋内外の活動がシームレスに連携するよう設計され、横浜市やヤマハによる音楽イベントなど、地域に根ざした賑わいを創出。災害時には避難場所としても機能し、多様な都市ニーズに応えています。
設計段階では、風や日射、歩行者流動のシミュレーションを駆使し、各空間の快適性と機能性を最適化。大きなガラス屋根が半屋外空間の環境を調整し、オフィス部分では太陽光シミュレーションをもとに外壁デザインを決定。自動制御のルーバー窓やブラインドが、空調や照明の効率化と快適な執務環境を両立しています。
技術研究所独自の手法による風環境や音響のシミュレーション、3Dプリンティングによる有機的なベンチの製作など、先端技術が随所に導入されています。エネルギー効率の面では、ダブルスキンカーテンウォールや日射遮蔽フィン、高効率空調システムを戦略的に採用。BELS 5つ星、ZEB Ready、CASBEE横浜Sランクなど、国内最高水準の環境認証を取得しています。
上層階のホテルは、横浜の海景を活かしたランドマークとして存在感を放ち、オフィスエリアの外観は多層的な構成で快適な都市型ワークプレイスを実現。2025年にはA'デザインアワード建築部門でシルバー賞を受賞し、その卓越した技術力と芸術性が国際的にも高く評価されています。
横浜シンフォステージは、都市の歩行者ネットワークと連携し、多様な人々が自然に集い、交流し、新たな都市体験を生み出す先進的な複合施設です。今後も都市の持続可能な発展と、より豊かなライフスタイルの実現に寄与する存在として注目されています。
プロジェクトデザイナー: Ryosuke Okawa
画像クレジット: Photographer
Image#1,#5: Naomichi Sode (SS Co., Ltd)
Image#2,#3,#4: Shinkenchiku-sha
プロジェクトチームのメンバー: Hiroshi Satake
Kenji Matsuoka
Daisuke Iwasaki
Ryosuke Okawa
プロジェクト名: Yokohama Symphostage
プロジェクトのクライアント: OBAYASHI CORPORATION