「Roof House」は、一般的な住宅のイメージを出発点とし、その枠組みを大胆に解体することで新たな住空間を創出しています。ヤフヤ・カシは、家という概念を「オブジェクトの残骸」と捉え、従来の家が持つ意味や形態を問い直しました。屋上という非住宅的かつ工業的な場所を舞台に選ぶことで、住まいの場所に対する社会的な固定観念にも挑戦しています。
このプロジェクトの最大の特徴は、「破壊」「爆発」「拡張」という三つのキーワードに基づくデザインアプローチです。まず「破壊」では、外部からの力によって家の構造が変形し、既存の形が崩されます。次に「爆発」では、梁や柱、窓やドアといった要素が誇張され、家の内部から新たな形が生まれます。最後に「拡張」では、あるオブジェクトが他の要素に影響を及ぼし、その本質を取り込むことで空間が広がっていきます。
建設技術にも革新が見られます。既存の建物フレームを延長し、新たな構造と一体化させることで連続性を確保。さらに、LSF(ライトスチールフレーム)工法を採用し、増築部分の重量を軽減しています。これにより、屋上という特殊な立地条件でも安全かつ効率的な施工が実現しました。
「Roof House」は、15000mm×32000mm×20000mmという大規模な空間を持ち、屋上プールや分解されたオブジェクトが特徴的です。プールは周囲のオブジェクトに素材を拡張し、既存の家の要素を覆い隠すように配置されています。これらのデザインは、住宅の本質や機能を再考する実験的な試みとして高く評価されています。
本プロジェクトは、2024年1月から6月までイラン・ハマダーンで進行し、住宅の新たな可能性を探求する研究的側面も持っています。従来の家のモデルを解体し、再構築することで、住まいの概念そのものを拡張し続けています。
「Roof House」は、住空間の固定観念を打ち破り、都市や社会に新たな問いを投げかける建築作品です。今後もこのような実験的アプローチが、ライフスタイルや都市の未来像に刺激を与え続けることが期待されます。
プロジェクトデザイナー: Yahya Kashi
画像クレジット: Image #1 : Visualization Mohammad Javad kasae, 2024
Image #2 : Visualization Mohammad Javad kasae, 2024
Image #3 : Visualization Mohammad Javad kasae, 2024
Image #4 : Visualization Mohammad Javad kasae, 2024
Image #5 : Visualization Mohammad Javad kasae, 2024
プロジェクトチームのメンバー: Yahya Kashi
プロジェクト名: Roof House
プロジェクトのクライアント: Kasa Office