「Curiosity Blocks」は、版画家としても活動する鈴木優子が、版と刷りの関係性をデジタルアニメーションに重ね合わせて創作した。ブロックというタイトルには、「塊」「グリッド状の区画」「プログラムのコマンド群」「木版画」など多層的な意味が込められている。各色が独自のレイヤーとして重なり合い、複雑な構造を生み出す様子は、多色刷り版画の工程を彷彿とさせる。
この作品の最大の特徴は、アナモルフォーシスという視覚トリックを用いている点にある。平面上で歪めて描かれたアニメーションが、円筒形の鏡に映すことで正しい形として現れる。16種類のアニメーションパーツとそのバリエーションがプログラムによって組み合わされ、動きとともに変化する映像が生み出される。鑑賞者は鏡の前に立ち、角度や視点を変えることで、映像の変形や再構成を体感できる。
制作にはプログラミング言語「Processing」が用いられた。各アニメーションパーツはブロックのように組み合わされ、色ごとにレイヤー構造が設計されている。平面から円形への変換や歪みの調整には、三角関数やベクトルなど中高生が学ぶ数学的要素も取り入れられており、教育的な側面も持つ。実際の制作過程では、鏡に映した際のバランスや視覚的な面白さを追求し、試行錯誤が重ねられた。
「Curiosity Blocks」は、子どもたちにコーディングの楽しさを伝えることを目的に制作された。アニメーションの動きと鏡像の変化が連動し、新しい発見や知識が好奇心によって生まれる様子を表現している。視覚的なインタラクションは、鑑賞者の観察力や想像力を刺激し、デジタルアートの可能性を広げている。
本作は、2025年A' Generative, Algorithmic, Parametric and AI-Assisted Design Awardにてシルバー賞を受賞。審査員からは「高度な技術力と芸術性が融合した、驚きと感動をもたらす作品」と高く評価された。今後も、アートとテクノロジーの融合による新しい体験が、次世代のクリエイティブ教育やライフスタイルに影響を与えていくだろう。
プロジェクトデザイナー: Yuko Suzuki
画像クレジット: Image #1: Photo courtesy NTT InterCommunication Center, Curiosity Blocks, 2024.
Image #2: Photo courtesy NTT InterCommunication Center, Curiosity Blocks, 2024.
Image #3: Photo courtesy NTT InterCommunication Center, Curiosity Blocks, 2024.
Image #4: Photo courtesy NTT InterCommunication Center, Curiosity Blocks, 2024.
プロジェクトチームのメンバー: Yuko Suzuki
プロジェクト名: Curiosity Blocks
プロジェクトのクライアント: NTT InterCommunication Center (ICC)