古樹金珠:龍と宋の美学を纏うドライフルーツパッケージ

伝統と未来が融合する、珠玉の贈答体験

中国の精神的象徴である「龍」と、数百年の歴史を持つ野生の龍眼樹から着想を得た「古樹金珠」は、伝統工芸と現代デザインが見事に調和したドライフルーツパッケージです。宋代の美意識とサステナブルな素材使いを融合し、贈る人・受け取る人双方に新たな体験価値を提供します。

「古樹金珠」は、珠玉の龍眼(ロンガン)を包み込むパッケージデザインで、Chushan Designが手がけました。パッケージのインスピレーションは、中国文明の精神的トーテムである「龍」と、長い年月を生き抜いた龍眼樹の生命力に由来します。龍のしなやかな姿を木の幹や根に見立て、果実の質感を神聖な鱗として表現。道教の「樹が龍へと変化し、龍が珠を生む」という哲学を、現代的なビジュアル言語へと昇華しています。

このパッケージの最大の特徴は、自然と伝統の象徴である「龍」をスピリチュアルなアンカーとして再構築している点です。表面には「双龍戯珠(ツイン・ロング・プレイング・ウィズ・パール)」のモチーフが浮かび上がり、古樹金珠自体が吉兆の象徴である「天珠」として描かれています。伝統的な篆書体(王一毛)とマットな金属プレートが融合し、クラフトマンシップとサイバー感覚の未来性が共存しています。

製作技術にもこだわりが光ります。天地蓋構造のギフトボックスは、金箔押しされた龍眼の年輪が時を超えた荘厳さを演出。彫刻的な双龍と龍眼の蔓が絡み合うテクスチャー、内部には民国時代のポスターが同梱され、伝統工芸と防湿機能の物語を伝えます。さらに、宋代青磁の茶碗(果物皿として使用)と、外装モチーフを反映したアクリルジャー4個がセットされ、統一感ある洗練を実現しています。

ギフトボックスは360mm×240mm×90mmのサイズで、4つの龍眼ジャーと直径130mmの宋代青磁茶碗が収められています。鮮やかな橙赤色は祝祭感と食欲を刺激し、機能的な仕切りが中身を守りつつ、宋代茶碗の工芸や伝統的な龍眼乾燥技術のストーリーを伝えます。食と器の組み合わせが、宋代文人の美意識へのオマージュとして、贈答体験を詩的に昇華させています。

このプロジェクトは、2024年6月に中国・深圳で始動し、同年11月に本格展開されました。若年層への伝統ブランドの再生、宋代器物美学の再解釈、龍のローカルナラティブの再構築、そして龍眼伝統技術の継承という多層的なリサーチが背景にあります。デザインが職人の収入向上やエコ素材による産業チェーンのアップグレードを促進し、単なる美しさを超えて文化生態系の再構築と持続可能な経済の推進役となっています。

「古樹金珠」は、抽象的な歴史遺産を視覚的なシンボル体系へと翻訳する挑戦を乗り越えました。宋代陶磁や双龍戯珠、民国新聞などから「要素考古学」を通じてビジュアル言語を抽出し、多層的な象徴フレームワークを構築。若い世代の文化的アイデンティティを深めると同時に、中国独自の美意識を世界に発信する自信を体現しています。

2025年にはA'パッケージデザインアワードでゴールド賞を受賞。伝統と革新、サステナビリティと美学が共鳴する「古樹金珠」は、現代のライフスタイルに新たな価値をもたらす、唯一無二のパッケージデザインとして高く評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: menghao Zeng
画像クレジット: Image #1: Photographer Lu Weiyu, KaiGua, 2024. Image #2: Photographer Lu Weiyu, KaiGua, 2024. Image #3: Photographer Lu Weiyu, KaiGua, 2024. Image #4: Photographer Lu Weiyu, KaiGua, 2024. Image #5: Photographer Lu Weiyu, KaiGua, 2024.
プロジェクトチームのメンバー: Yin peng Li linlin Zeng menghao
プロジェクト名: Gushu Jinzhu
プロジェクトのクライアント: Shenzhen Chushan Design Culture Group Co., Ltd.


Gushu Jinzhu IMG #2
Gushu Jinzhu IMG #3
Gushu Jinzhu IMG #4
Gushu Jinzhu IMG #5
Gushu Jinzhu IMG #5

デザイン雑誌でさらに詳しく読む