サラマットアパートメント:都市制約を超える光と調和の住空間

不規則な敷地と規制を乗り越えた革新的集合住宅デザイン

サラマットアパートメントは、イラン・ハメダンに誕生した住宅プロジェクトです。厳しい都市規制と不規則な敷地形状という複雑な条件下で、自然光の最適化と住環境の質向上を追求。伝統的な煉瓦素材を現代的に再解釈し、都市景観と調和しながらも独自性を放つ集合住宅として注目を集めています。

ファエゼ・タヴァソリアラによる設計は、住まい手の満足感と帰属意識を重視し、「本当の家」を目指して構想されました。敷地の不規則な形状と隣接建物による採光制限、さらに厳格な市の規制という三重の制約を受けながらも、空間の機能性と美しさ、そしてユーザーの多様なニーズをバランスよく融合。都市生活者に新たな集合住宅体験を提供しています。

このプロジェクトの最大の特徴は、従来の光井戸を用いず、戦略的な開口部配置と分節化したファサード設計によって、全住戸に十分な自然光を確保している点です。プライバシーを守りつつ、煉瓦の格子シェルが外観を統一し、都市との一体感を演出。さらに、モジュール化された煉瓦ユニットを用いたファサードは、光と影のリズムを生み出し、地域の建築伝統を現代的に昇華させています。

建築技術面では、伝統的な煉瓦を現代的な施工方法で活用。構造材や断熱材、窓、昇降機、冷暖房設備などは、地元および国内の信頼性あるブランドが供給しています。これにより、耐久性と快適性を両立させた高品質な住環境を実現しました。

設計プロセスでは、RhinoやGrasshopperによる光のシミュレーション、パラメトリックデザインによる開口部や格子の最適配置、煉瓦モジュールのプロトタイプ検証など、定量的・定性的な分析を駆使。ベッドルームは前面、リビングは背面に配置し、プライバシーと採光を両立。駐車場も2層に分割し、標準住戸とメゾネット住戸の両方に対応しています。

サラマットアパートメントは、「秩序ある無秩序」という設計理念のもと、敷地の不規則性と内部空間の整然さを巧みに調和。都市の規制や隣接建物による制約を逆手に取り、革新的なファサードと空間構成で都市景観に新たな価値をもたらしています。2025年にはA' Design Awardの建築部門でブロンズ賞を受賞し、都市住宅の新たな可能性を示す事例として高く評価されています。

このプロジェクトは、都市の厳しい制約下でも、創造的な設計と伝統素材の革新によって、快適で美しい住空間を実現できることを証明しています。サラマットアパートメントが示すように、建築は都市の限界を再解釈し、より豊かな都市生活のビジョンを提案し続ける力を持っています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Faezeh Tavasoliara
画像クレジット: Image #1: Photographer Mohammad gholami, Variations, 2025
プロジェクトチームのメンバー: Faezeh Tavasoliara
プロジェクト名: Salamat Apartment
プロジェクトのクライアント: Pamir Studio


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