ゴルフは多くの人にとって挑戦的なスポーツですが、特に女性やアマチュアゴルファーにとっては、従来のドライバーが自分に合わず、思うようなショットが打てないという悩みがありました。Do It Solutionsが手がけたGioia No 1は、こうした現状を打破するために生まれた製品です。開発のきっかけは、ある女性ゴルファーがドライバーのスイングに苦戦していたこと。そこから「なぜ女性やアマチュアが自分に合わないクラブを使わなければならないのか?」という疑問が生まれ、最適なクラブ作りが始まりました。
Gioia No 1の最大の特徴は、MOI(慣性モーメント)を最適化した設計です。これはクラブの振りやすさや打球の安定性に大きく影響する要素で、特にスイングスピードが遅めのプレイヤーにとって重要です。女性やアマチュアゴルファーのバイオメカニクスに合わせて、クラブヘッドの形状や重さ、ロフト角などを細かく調整。これにより、打ち出し角度が最適化され、飛距離や方向性が向上し、プレイヤーは自信を持ってティーショットに臨めます。
製造技術にも革新が見られます。初期プロトタイプはFDMやSLA方式の3DプリントでPLAやABSライク樹脂を使用し、最終的な質感を追求するためにEOS TI 64チタン合金によるSLM 3Dプリントで試作。その後、量産品は投資鋳造法でTi811(TI-8AL-1V)チタン合金を採用し、軽量かつ高強度な仕上がりを実現しています。これにより、クラブの性能と耐久性が両立されています。
Gioia No 1は、ユーザーごとに最適なスペックを提供するため、リモートフィッティングにも対応。専用フォームに必要情報を入力すると、フィッティングソフトが最適な仕様を算出し、プロフェッショナルがクラブをカスタマイズ。自宅にいながら自分だけのドライバーを手に入れることができます。このプロセスは迅速かつ正確で、ゴルフをより身近に感じさせてくれます。
開発チームは、3年以上にわたり多くの女性ゴルファーと対話し、従来の女性用ドライバーが抱える「長すぎる」「重すぎる」「ロフト角が合わない」といった課題を徹底的に分析。数多くの試作とテストを重ね、女性やアマチュアに最適なドライバーを完成させました。この取り組みは、2025年にオーストリア・リンツで発表され、A' Design Awardのブロンズ賞を受賞しています。
Gioia No 1は、ゴルフをもっと楽しく、もっと自分らしくプレイしたい女性やアマチュアゴルファーに新たな選択肢を提供します。デザインとテクノロジーの力で、スポーツの壁を取り払い、誰もが自信を持ってプレイできる未来を切り拓いています。
プロジェクトデザイナー: DO:IT Solutions
画像クレジット: Image #1 - #5: DO:IT Solutions, 2025.
プロジェクトチームのメンバー: Matteo Blason
Florian Nimmervoll
Michael Hofbauer
Dominik Diensthuber
Thomas Pfaffenbauer
Hana Stein
Lilith Laner
プロジェクト名: Gioia No 1
プロジェクトのクライアント: DO:IT Solutions