「Frames」は、松尾道弘率いるMetaph Architect Associatesによって設計されたオフィス建築であり、自然や地域環境と調和する有機的なデザインが特徴である。建物のファサードには浮遊感のある重なり合う窓枠が配置され、外部空間とのつながりを強調。自然光や植栽を巧みに取り入れることで、従業員の快適性と地域への開放性を両立している。
内部空間では、社員と歩行者の視線を分ける設計がなされている。明るく開放的なオフィススペースには、戦略的に配置された植栽が視線を柔らかく遮り、プライバシーとオープンさのバランスを保つ。地上階の水平庇と上階の窓枠が対比を生み、周囲の景観に溶け込む洗練された外観を実現している。
構造面では、環境負荷の低減を目指し、木造ラーメン構造を採用。大開口を持つ建物の安全性を確保するため、構造解析を徹底し、大断面集成材と金属ジョイントを用いて耐震性と強度を両立した。日本のような地震多発地域において、大規模木造建築の実現は技術的な挑戦であり、その克服が高く評価されている。
敷地面積1,037.12㎡、延床面積768.80㎡、3階建ての本建築は、従来鉄骨造が選ばれがちな形状でありながら、低炭素化の観点から木造を選択。窓枠の形状や植栽の配置によって、通行人からの視線を遮りつつ、開放的なワークスペースを創出している。多くの業務は2階以上で行われ、快適な作業環境が確保されている。
設計過程では、安全性と快適性を両立するための研究が重ねられた。アンケート調査や見学会を通じて、有機的な建築デザインがもたらす心理的効果や、次世代オフィスの理想像を探求。木造による低炭素化と大空間設計、そして耐震性の確保という課題を乗り越え、2025年にはA' Design Awardのシルバー賞を受賞している。
「Frames」は、浮遊感のある窓枠と水平庇、そして植栽の巧みな配置によって、地域と自然に開かれた新しいオフィスのあり方を示している。環境配慮とデザイン性、そして安全性を兼ね備えたこの建築は、今後のオフィス設計における新たな指標となるだろう。
プロジェクトデザイナー: Michihiro Matsuo
画像クレジット: Michihiro Matsuo,Metaph Architect Associates
プロジェクトチームのメンバー: Michihiro Matsuo
プロジェクト名: Frames
プロジェクトのクライアント: Metaph Architect Associates