スパイクの美学を纏う:スマイリー・スパイクド ブレスレット

日常に溶け込む革新的なユニセックスジュエリーの誕生

マリア・コツォニによる「スマイリー・スパイクド フレキシブルカフブレスレット」は、アートと機能性、そして自然界の造形美を融合させた新時代のジュエリーとして注目を集めている。2025年、A'デザインアワードでシルバー賞を受賞したこの作品は、現代のライフスタイルに寄り添うデザインと、卓越したクラフトマンシップが光る逸品だ。

「スマイリー・スパイクド」は、日常使いに適した大胆かつ洗練されたブレスレットを目指して生まれた。デザイナーのマリア・コツォニは、自然界に見られるスパイク(棘)からインスピレーションを得ている。スパイクは古来より生命を守る役割を担い、繊細な生物が生き残るための「守護者」として機能してきた。このブレスレットは、そうしたスパイクの本質を現代的な美意識で再解釈し、身につける人の個性と日常に寄り添うデザインへと昇華させている。

構造面では、フロント部分に可動式のU字型スパイクを配し、バックには柔軟性と形状記憶性を兼ね備えたダブルチューブを採用。これにより、腕を通す際の着脱が容易でありながら、装着時にはしっかりとしたオーバル形状を保つ。ブレスレットは袖口からさりげなく覗き、単体でも重ね付けでも、または時計と組み合わせても美しく映える設計となっている。

制作には18Kゴールドを使用し、伝統的なチューブ成形や鋳造、ろう付けといった技術と、3Dデジタルデザインやプリントなどの現代的な手法が融合。特に可動式スパイク部分は、Rinoによるデジタル設計から3Dプリント、鋳造を経て、最終的に手作業で組み立て・調整されている。全体の重さは16.5グラム、サイズは62mm×50mm×22mmと、男女問わずフィットするユニセックス仕様だ。

このデザインの最大の特徴は、構造と流動性のバランスにある。スパイクの持つ守護性と、身体の自然なラインに沿う柔軟性を両立させるため、数多くの試作と調整が重ねられた。特にU字型スパイクとフレキシブルチューブの連動性を最適化するため、複雑な接合部の設計や、逆さまの状態でも美しいフォルムを維持する工夫が施されている。

「スマイリー・スパイクド」は、2017年から続くスパイクドコレクションの一部として、2024年9月から11月にかけてキプロス・ニコシアで完成。植物や海洋生物、昆虫、動物など、さまざまな生命体に見られるスパイクの形状をリサーチし、攻撃性を抑えつつも本来の存在感を損なわない絶妙なバランスを追求した。

このブレスレットは、単なる装飾品にとどまらず、着用者の個性やライフスタイルに寄り添う「現代の守護者」としての役割を担う。日常に溶け込むアートピースとして、またジェンダーレスなファッションアイテムとして、今後も多くの注目を集めるだろう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Maria Kotsoni
画像クレジット: Image # 1: Photographer Nicos Louca, Smiley Spiked bracelet Image # 2: Photographer Harris Kyprianou, Model: Kateryna Kremer, Smiley Spiked bracelet worn with assorted pieces from Spiked collection Image # 3: Photographer Harris Kyprianou, Smiley Spiked bracelet worn on a man Image # 4: Photographer Maria Kotsoni, Smiley Spiked bracelet worn with a watch and assorted bracelets Image # 5: Photographer Maria Kotsoni, Smiley Spiked bracelet worn with watch and assorted bracelets
プロジェクトチームのメンバー: Maria Kotsoni
プロジェクト名: Smiley Spiked
プロジェクトのクライアント: Maria Kotsoni


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