自然と共生する山岳バスルーム「Among Quillayes」

持続可能性と景観調和を追求したヘクター・ナバの建築美学

チリ・ロ・バルネチェアのアラヤン山地に誕生した「Among Quillayes」は、自然環境と建築の融合を極限まで追求した山岳バスルームです。地元の素材を活用し、環境への介入を最小限に抑えながら、周囲の森と調和する空間を実現しています。

「Among Quillayes」は、建築家ヘクター・ナバによる、自然との共生をテーマにしたプロジェクトです。設計の中心には、壮麗なアラヤンの木が据えられ、建物自体が森の一部として溶け込むようにデザインされています。現地調査に基づき、石やコンクリート、木製枕木など、耐久性と美しさを兼ね備えたサステナブルな素材が選定されました。

このバスルームの最大の特徴は、土地の高低差を活かしたテラス状のプラットフォーム構造です。自然の地形に沿って配置された床面が、建築と景観の一体感を生み出し、利用者に山の息吹を感じさせます。木材と石材の組み合わせが、温かみと堅牢さを両立し、長期的な耐久性と快適性を提供します。

プロジェクトの設計段階では、現地の生態系への影響を最小限に抑えることが重視されました。地元で調達可能な低インパクト素材を使用することで、建築のカーボンフットプリント削減とエネルギー効率の向上が図られています。さらに、自然採光や通風を最大限に活かすレイアウトにより、バイオクライマティックな快適性も実現しています。

技術的な側面では、現地の厳しい規制や地形条件に対応するため、デジタルモデリングや模型による検証が繰り返されました。特に、ランドマークとなるアラヤンの木を保護しつつ、構造の安定性と景観美を両立させるための工夫が随所に施されています。限られた素材の中から最適なものを選び抜くプロセスは、持続可能な建築の新たな可能性を示しています。

「Among Quillayes」は、2025年にA’デザインアワードのサステナブルプロダクト部門でIron賞を受賞しました。業界のベストプラクティスと技術的な信頼性を兼ね備えたこの作品は、建築と自然の理想的な関係を体現し、持続可能なライフスタイルへのインスピレーションを与えています。

自然環境と調和した建築のあり方を示す「Among Quillayes」は、今後のサステナブルデザインの指標となる存在です。環境への敬意と美意識を両立させたこのプロジェクトは、建築が地域社会と地球環境に貢献できる可能性を広げています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: HECTOR NAVA F
画像クレジット: Image #1: Photographer Héctor Nava, Landscape and Architecture, 2024. Image #2: Illustrator Héctor Nava, Design and Nature, 2024. Image #3: Photographer Héctor Nava, Integration of Elements, 2024. Image #4: Illustrator Héctor Nava, Cabin interior, 2024. Image #5: Photographer Héctor Nava, Platform and Topography, 2024.
プロジェクトチームのメンバー: Architect: Héctor Nava.
プロジェクト名: Among Quillayes
プロジェクトのクライアント: Héctor Nava.


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