「Single Wall」は、自然環境と建築の対話から生まれました。山と海に挟まれた敷地は、開放性とプライバシーという相反する要素を求められる中、密集した植生が外部からの視線を遮りつつ、内部には広がりをもたらします。空間構成はホスピタリティに着想を得ており、サービスエリアを巧みに隠しながら、連続的な体験を生み出しています。
このプロジェクトの最大の特徴は、一本の80メートルに及ぶ竹の壁です。この壁がレジャーとサービスエリアを分け、寝室の浮遊するボリュームを支え、技術スペースを隠蔽します。素材には現しのコンクリート、圧縮竹、ブラジル産大理石が用いられ、空間全体に素材の力強さと温かみをもたらしています。
構造面では、先進的なポストテンション工法と伝統的なリブ型枠、木製支柱を組み合わせ、12.5メートルの無柱スパンと6.5メートルのキャンティレバーを実現。中国で生産された竹壁は、構造と美観の両方を担い、高性能ガラスシステムにより、ガラスパネルは全開放可能。内外の境界が消え、自然との一体感が生まれます。
動線は一本の壁によって明快に定義され、サービスエリアとソーシャルエリアが自然に分離。寝室へと導く道筋には視覚的な障壁がなく、クロスベンチレーションや自然光、戦略的な日除けによって、人工的な空調に頼らない快適性を実現しています。
設計段階から「線形性」「機能の隠蔽」「空間の流動性」を追求し、素材の連続性と構造効率が内外の一体化を強調。施工時には、細部の精度と素材の接合に徹底的なこだわりが求められ、建築の純粋なコンセプトを守り抜くための挑戦が続きました。その結果、建築が自然の延長となる、シンプルでありながら深い体験を提供する住空間が誕生しました。
「Single Wall」は、2025年A'デザインアワード建築部門でシルバー賞を受賞。卓越した技術と芸術性、そして驚きと感動をもたらす革新性が高く評価されています。素材の誠実さ、構造の美しさ、そして自然との共生を体現したこの住宅は、ミニマル建築の新たな可能性を提示しています。
プロジェクトデザイナー: Pedro Sunyé
画像クレジット: Image #1: Photographer Fabio Severo, Single Wall, 2024.
Image #2: Photographer Fabio Severo, Single Wall, 2024.
Image #3: Photographer Fabio Severo, Single Wall, 2024.
Image #4: Photographer Fabio Severo, Single Wall, 2024.
Image #5: Photographer Fabio Severo, Single Wall, 2024.
プロジェクトチームのメンバー: Architect: Pedro Sunyé
Interior Designer: Gabriela Casagrande
Project Coordinator: Thallita Souza
Structural Engineer: Mauer Egas
プロジェクト名: Single Wall
プロジェクトのクライアント: suna arquitetura