空中を舞うリボン：ツイストブリッジが描く都市の新景観

ねじれた造形美が都市と自然を繋ぐ歩行者用オーバーパス

ツイストブリッジのデザインは、日常的な紙のねじれからインスピレーションを得ている。動的なリボンのような形状は、都市空間に新しい包み込みと囲いの感覚をもたらし、訪れる人々に強い印象を残す。橋の全長は内側で約65.6メートル、外側で約71.2メートル、幅は3メートルと、歩行者が快適に行き交うことができる設計となっている。

構造面では、北側に支柱を設け、橋の厚みを約450ミリメートル、傾斜部分は約200ミリメートルに抑えることで、軽量化と高い安定性、そしてコスト削減を実現した。これにより、都市の景観に溶け込みながらも、独自の存在感を放つランドマークとなっている。

歩行者が橋を渡る際、回転するようなフェンスが視線を巧みに誘導し、都市や山々の広がる景色を存分に楽しめる設計が特徴だ。車両の動きや視点の変化によって、橋の表情が異なって見えるため、ドライバーにも新鮮な印象を与え続ける。

この橋は、華蓋山と鳳嶺山という市民の憩いの場を結び、自然と都市生活をシームレスに繋ぐ役割を果たしている。複数の出入口が設けられ、周辺の道路や商業エリア、観光地、住宅地と連携し、市民や観光客の移動の選択肢を広げている。都市の活力を高め、自然環境の向上にも寄与している点が高く評価されている。

ツイストブリッジは、2025年のA'デザインアワード建築部門でシルバー賞を受賞。優れた技術力と芸術性を兼ね備えたこの作品は、都市の新たなゲートウェイとして、訪れる人々に驚きと感動をもたらしている。都市と自然、そして人々の暮らしを美しく結ぶ架け橋として、今後も多くの注目を集めるだろう。